西武森とブルペン投球、外崎と打撃練習? 特別イベント「フリーRUNS」に迫る

「フリーRUNS」西武編が行われた【写真:パーソル パ・リーグTV】

西武の春季キャンプ中に特別イベント「フリーRUNS」が行われた

 2月16日、西武のキャンプ地「南郷中央公園南郷スタジアム」で、パ・リーグオフィシャルスポンサーである総合人材サービス「パーソルグループ」による特別イベント「フリーRUNS(フリーランス)」が行われた。

「フリーRUNS」はパ・リーグ各球団へのFA移籍体験として、春季キャンプで選手たちの練習をサポートする企画。交通費+宿泊費全額支給の好待遇に加え、賞金1万円と一緒に練習をした選手のサイン入りグッズもプレゼントされる。今回は、「外野を駆け回り、山川穂高選手&森友哉選手のホームラン性の当たりをキャッチしよう!」というテーマのもと、875件の応募から選ばれた2名が宮崎県日南市南郷町を訪れた。

 1人目は小学校から高校まで野球部で活動し、現在も週に1回草野球をプレーしている伊藤考弘さん。小学生の卒業文集では将来の夢について、「もし西武ライオンズに入団できなかったら、FA宣言して西武ライオンズに入りたいです」と綴ったという、筋金入りのライオンズファンだ。

 2人目は学生の柏木彩乃さん。小学校、中学校では野球、高校ではソフトボールをプレーした球歴を持つ。長距離打者として「ホームランを打つこと」をチームから求められ、山川、森の打ち方を参考にしていたという。「憧れの2人の力になりたい」と、「フリーRUNS」応募に至った。

 当日の宮崎県は連日の雨空。球場が使えないため、当初予定していた「山川穂高選手&森友哉選手のホームランキャッチ」チャレンジを変更し「外崎修汰選手と打撃練習&森友哉選手のミットめがけて全力投球」を行うことになった。「緊張でガチガチなので、始まったらテンション高くできるように楽しんでいきます!」と、笑顔で意気込みを語った伊藤さん。一方の柏木さんは、「緊張していて肩が上っちゃいそうなんですけど、始まったら選手の方とコミュニケーションを取れるようにがんばります。声を出して!」と元気よく話してくれた。

 参加者2人はユニホームを着用して外崎の待つ室内練習場へ。憧れのプロ野球選手を前に緊張しながらも意気込みを語り、早速打撃練習へ。まずは参加者が外崎へトスを上げる。最初にトスを上げた伊藤さんは、憧れの選手を前に緊張した表情を見せながらも丁寧に行い、打撃練習をサポート。続いてトスを上げた柏木さんも緊張がほぐれていない様子だったが、プロ野球選手との貴重な時間を目に焼き付けていた。

 外崎が打撃練習を終えると、続いて伊藤さんがトスバッティング。まずは素振りをチェックしてもらうと「いいですね! 言うことないです!」と外崎。実践では最後まで真剣な表情で白球を打ち返した。終了後に外崎は「下を向くと下にしか打球がいかないので、前にフォローをとってあげる。そうすると自然に顔も上ってくるので、その感じでやったら良くなると思います」とアドバイスを送った。

参加者2人は外崎と室内練習場で打撃練習、ブルペンでは森に対して投球した

 続いては柏木さん。外崎に素振りをチェックしてもらうと「いいと思います!」と、さすがは野球経験者。実践に入ると、はじめは詰まった打球が多く見られたが、「球の上をたたいているので、真ん中より下をたたいてバックスピンをかけるイメージで」と、外崎からアドバイスをもらった後は、鋭い打球も増えていった。

 最後に外崎とペッパー(トスバッティング)を行い打撃練習は終了。終了後に伊藤さんが、「キャンプの前半、打撃フォーム変えていましたか?」と質問。すると「変えていました。投手にもいろいろなタイミングがある。それに自分のタイミングを合わせなきゃいけないので、足幅を狭めてタイミングを合わせやすくしていました。すごいところまで見ているんですね(笑)」と、外崎も驚いた表情を見せた。

 続いてブルペンで待つ森の元へ。森と対面すると、「打ち方を参考にさせていただいていました。よろしくお願いします!」と、柏木さんが憧れの選手へ笑顔であいさつ。伊藤さんも、「20年ほどライオンズを応援しています」と、熱烈なファンであることを告げた。

 森とキャッチボールをして肩をつくり、伊藤さんから投球開始。高めに抜けることもあったが、野球経験者なだけあって力強い球を投じる。これには森も「ナイスボール!」と声を上げていた。

 柏木さんがマウンドへ上ると、18.44メートルの距離から難なく森のミットに白球を投じる。緊張から制球が乱れることもあったが、力強い投球を見せてくれた。投球が終わると森は2人に対して、「めちゃ緊張してましたね。もっと思い切り投げて欲しかったな(笑)。もっと放れる」とにこやかに語った。

 投球後に、「高め打ちをするときにはどういうことを意識されているのですか?」と柏木さんがたずねると、森は真剣な表情で、「高めはポイントを前に置かないと打球が上っちゃう、きれいに真っすぐ飛ばない。なので高めに来たらなるべく前で打つようにしてます」と、動作を交えながら語り、2人の「FA移籍体験」は終了。

「夢のような時間だったんですけど、最後まで緊張してしまいました……! 貴重な体験をさせていただいて、ありがとうございました」と伊藤さん。一方、医療の学校に通い、野球に関する仕事に就くことを夢見ている柏木さんは、「声も出ず、すごい緊張してしまいました。動けなかったことには悔いが残るけど、緊張してしまったことも含めて良い体験でした。選手が緊張感のある環境でやっていることを知れて良かったです!」。

 小学生の頃から抱いていた夢が叶った伊藤さんは「FA移籍体験」をこう締めくくった。「20年間ずっとライオンズを想い続けた。好きなことをずっと突き詰めて、ずっと想い続ければ、夢は実現するんだなというのを感じられたので、もっと大きな夢が実現できるように頑張っていきます」。(「パ・リーグ インサイト」東海林諒平)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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