球界のネクスト・エース候補 インディアンスの右腕・ビーバー

ジャスティン・バーランダー(アストロズ)、マックス・シャーザー(ナショナルズ)、クレイトン・カーショウ(ドジャース)らがいずれもベテランと呼ばれる域に突入し、近いうちに「球界のエース」にも世代交代のときが訪れることになる。次の「球界のエース」となるのはいったい誰だろうか。ウォーカー・ビューラー(ドジャース)やジャック・フラハティ(カージナルス)らも有力な候補だが、メジャーリーグ公式サイトのデービッド・アドラーは、シェーン・ビーバー(インディアンス)の名前を挙げている。

今季がメジャー3年目のシーズンとなるビーバーは現在24歳。昨季は34試合(うち33先発)に登板して214回1/3を投げ、15勝8敗、防御率3.28、259奪三振、被打率.230、WHIP1.05の好成績をマークした。地元開催のオールスター・ゲームにも選出され、三者三振の快投でMVPを受賞。サイ・ヤング賞の投票では4位にランクインし、今季は開幕投手に指名されていた。

球界を代表するスラッガーの1人であるネルソン・クルーズ(ツインズ)は、2020~2029年の10年間を予想する企画のなかで、「最も多くの三振を奪う投手」と「最も多くのサイ・ヤング賞を受賞する投手」の2部門にビーバーの名前を挙げている。

ビーバーの最大の魅力はマイナー通算与四球率0.62という安定した制球力で、メジャーでもその魅力を遺憾なく発揮。デビューイヤーの2018年は与四球率1.81、昨季は与四球率1.68をマークし、20人の打者と対戦して1人未満しか歩かせていない計算になる。

また、昨季はノビのある速球や球速をアップさせたスライダーとカーブを武器に奪三振率を向上させ、奪三振率は2018年の9.26から10.88へとアップ。スライダーで200回、カーブで164回の空振りを奪ったが、いわゆるブレーキング・ボールで364回の空振りを奪ったのはメジャー最多の数字だった。

また、ストライクゾーンに投球する割合やど真ん中へ失投する割合が低下するなど、打者が嫌がるコースで勝負する技術も身につけ始めている。右打者には速球とスライダー、左打者にはカーブとチェンジアップ、というように武器も確立しており、打者にとっては攻略が難しい投手の1人となっている。

今季のインディアンスは、サイ・ヤング賞2度の実績を誇るコリー・クルーバーをトレードでレンジャーズへ放出したため、先発ローテーションの中心的存在としてビーバーにかかる期待は非常に大きい。メジャー3年目のシーズンが「球界のエース」への第一歩となるか注目だ。

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