“コロナに負けない” 部活できる喜び実感 「これって当たり前じゃないんだ」 学校再開で気づいたこと

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として臨時休校していた県立高校などが16日に再開した沖縄。各高校には部活動に励む生徒の姿も戻った。各競技の部員たちは仲間たちと思い切り運動できる喜びをかみ締めた。

 部活動再開に当たって県教育庁は同日までに、「屋内外を問わず密着した活動などの状況は避ける」「活動時間短縮の工夫」「コップなどの共同使用は避ける」「屋内での活動は十分に換気」など8項目を求める依頼文を、県立中学・高校長宛てにメールで送付。文化系部活動も対象で、「発熱や体調不良の生徒には帰宅を促す」「せきエチケットの徹底」なども求めている。

◆学校再開、球音戻ったグラウンド

【沖縄工業野球部】

 高校野球の県春季大会開幕を9日後に控えた16日、各校のグラウンドに球音が戻ってきた。沖縄工業では、実戦練習などチーム全員がそろったからこそできる練習に時間を費やした。國吉涼介主将は「やっと部活ができた。エラーは多かったけど、思い切りプレーし、声を掛け合った」と充実感をにじませた。

実戦的な練習を始める沖縄工高野球部=同校グラウンド(田嶋正雄撮影)

 休校が決まり、知名淳監督は選手たちに「学校再開までの2週間が、春以降の運命を左右する」と話したという。冬季期間中に身に付けたことを失わないように、個人練習はもちろん体重管理にも気を配らせた。

 1年生の末広礼唯は自宅近くのグラウンドで自主練習に励んだといい、「これからしっかりやっていきたい」と決意を新たにする。

 新型コロナウイルス関連の暗いニュースが続く中、25日からの春季大会の開催は何よりの吉報となった。國吉は「大会がなくなれば、目標も失ってしまう。本当に良かった」と満面の笑み。野球ができる環境に感謝し、本番を心待ちにしている。(我喜屋あかね)

◆プラス思考 夏の総体へ決意

【小禄剣道部】

 小禄の剣道部員は休校中、それぞれが課題克服のため自宅で自主トレーニングに励んできた。女子は今月の選抜大会に出場予定だったが中止に。下地仁菜主将(2年)は「選抜が中止で落ち込んだけど、切り替えて夏の全国総体出場を目指したい」と意欲を新たにしながら、「みんな元気で良かった」と練習再開を喜んだ。

(写図説明)威勢良く素振りの稽古に励む剣道部員=小禄高校(新垣亮撮影)

 大浦勲監督が「プラス思考で捉えよう」と自宅でもできる素振りや持久走、足さばきを鍛えるなどの自主練習に取り組んできたという。

 互いに向き合うことができないため技術はなかなか磨けないが、それならば「インターハイに向けて土台づくりに力を入れよう」と声を掛けた。大浦監督と部員は無料通信アプリのLINE(ライン)を通じてやりとりし、それぞれで課題と向き合った。

 「全員が生き生きとしている。今後の練習にも充実して取り組めるはずだ」と大浦監督。県大会で敗れ、全国選抜の切符を逃した男子の伊佐琉生主将(2年)は「ライバル校に負けないように県総体では絶対優勝したい」と力を込めた。(新垣亮)

◆みんなと練習、笑顔で駆ける 

【中部商業陸上部】

 「ファイト」「声出していこう!」。約2週間ぶりに再開した中部商業の陸上部では選手たちの笑顔が絶えず、元気な声が響いていた。快晴の空の下、久しぶりの部活動ではハードルや2~4キロのメディシンボールなどを使ったトレーニングに励み、体に動きを染み込ませた。

(写図説明)部活動が再開し、練習に励む中部商高陸上部=同校グラウンド(田嶋正雄撮影)

 休校期間中は県内の陸上競技場でも使用できない場所が多く、開放している競技場を探したり、ビーチの砂浜で自主トレーニングに励んだりした。幸良琉海は「みんなと練習できることが楽しみだった」と再開を喜ぶ。

 逆に、休校になったことで得られたものもあった。小波津優は「この場所で、好きなことができるのは当たり前じゃない。先生たちや周りの人、環境に感謝しないと」と前を向く。

 3月に県内で予定されていた記録会は中止となったものの、「シーズン最初から中部商陸上部の強さを見せたい」と幸良。全ての経験を力に変えるつもりだ。(我喜屋あかね)

◆ミットに拳 本番へ鍛え直し

【浦添ボクシング部】

 浦添ボクシング部は、4月予定の県春季大会に出場する1年生の久貝飛雄馬と国吉泰生が2週間ぶりにグローブを握った。2人の動きを見た瀬良垣世堅監督は「やっぱりなまっている。本番に向けて鍛え直していきたい」と意気込んだ。

(写図説明)ミット打ちで汗を流す久貝飛雄馬と瀬良垣世堅監督(右)=浦添高校(下地広也撮影)

 休校中、国吉はランニングやシャドーなど1人でできる練習に取り組んだ。それでも「動けていないし疲れた」とぽつり。春季大会に向け「まずは初勝利。そのためにガードを強化したい」と語った。

 サンドバッグを1時間以上、黙々とたたいた久貝は「目標は初の決勝進出と優勝。そのため、パンチをもらわずに当てる練習を積み重ねたい」と話した。(磯野直)