三菱重工香焼工場 修繕ドック売却せず 合意時期ずれ込む見通し

 三菱重工業が売却を含めた活用を検討している長崎造船所香焼工場(長崎市香焼町)について、修繕ドックを所有し続ける方針であることが18日、分かった。大島造船所(西海市)との交渉は3月中の合意を目標にしていたが、数カ月ずれ込む見通し。
 関係者によると、二つのドックのうち、南側の「100万トンドック」と呼ばれる国内最大級の建造ドック(長さ約千メートル、幅100メートル)の売買を軸に交渉している。
 北側にある修繕ドックはその約半分の規模。三菱は長崎で客船修繕事業の拠点化構想を推進している。既に2月には、新型コロナウイルス感染を警戒したイタリアの船会社から、大型客船の修繕を初めて受注。客船修繕を連続受注できれば一定の収益を見込めるとしている。
 三菱は主力のガス運搬船の受注低迷を踏まえ、昨年12月に大島造船所と交渉を開始。両社は3月までの合意を目指したが、関連設備を含めた詳細な査定や調整を続けており、数カ月延びるもようだ。

 


© 株式会社長崎新聞社