小学、養護の実技 模擬授業を廃止 新年度から 員採用、負担軽く

 長崎県教委は新年度に実施する教員採用試験から、小学校と養護教諭の2次試験で実技試験を廃止する。受験者の負担軽減が狙いで、小中学校、高校、特別支援学校の2次試験で実施していた教壇での課題面接(模擬授業)もなくす。
 18日の定例教育委員会で報告した。県教委によると、本県の公立学校教員採用選考試験の倍率は低下傾向にあり、教員の質の維持などが課題となっている。
 従来の試験では小学校で体育(器械体操など)と音楽(ピアノなど)の実技試験があった。養護教諭については昼休みにけがをした場合の措置などの実技試験があったが、実技をなくし、個人面接で知識を問う。
 UIターン促進という視点から、他県で2年以上勤務経験がある国公立学校の現役教員の出願資格年齢を49歳以下から59歳以下に緩和。想定外の欠員に対応するため、高校、特別支援学校は“繰り上げ採用枠”を新設する。合格者の辞退などで欠員が生じた場合にこの枠から採用される仕組みで、採用に至らなかった場合も次年度の同校種受験で1次試験が免除となる。
 試験日程や概要は月内に県教委高校教育課のホームページに掲載し、実施要領は5月に交付する。県教委は「本県の採用枠が少ない時期に他県に出た人たちも戻ってきやすい制度になった。多くの人に長崎で教員になってほしい」としている。

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