商店街シャッターに五島の自然 福江中生徒 制作 休校で教諭ら“バトン”継ぐ

五島の海や山をイメージしてイラストを描いた生徒と市職員ら。風船やハートを持ったように見える写真を撮ることができる=五島市末広町

 五島市立福江中の生徒らが、市中心部商店街の空き店舗シャッターに、五島の海や山をモチーフにしたペンキ絵を描き上げた。3年生5人グループが昨年10月に描き始めたが、新型コロナウイルスの影響で、生徒による作業は中断。同校教諭や市職員が絵筆の“バトン”を受け継ぎ、完成にこぎ着けた。

 5人は同校の総合学習で、商店街の「インスタ映え」スポットづくりを発案。市の協力も得て、8年ほど前に閉店した手芸用品店「郡家美装店」(末広町)のシャッター(幅9.4メートル、高さ約2.7メートル)に絵を描く許可をもらった。
 生徒らは昨年12月まで、授業時間などを使って順調に制作。高校受験を経て3月から仕上げに取り掛かろうとしたが、新型コロナの影響で休校期間に入ってしまった。描きかけの絵を引き継いだのが同校の教諭5人と市職員2人。空いた時間に駆けつけて作業した。
 完成した作品は、五島の有名な観光地「大瀬埼灯台」や「鬼岳」をイメージ。真ん中にハートマーク、左右には風船を配置し、観光客らがハートや風船を持ったように見える写真を撮れるよう工夫した。
 シャッターを提供した郡家京子さん(75)は「きれいになってうれしい。多くの方に写真を撮ってもらいたい」と感激。リーダーの竹中真琴さん(15)は「これからも後輩が引き継ぎ、他の空き店舗シャッターにも描き続けてほしい」と話した。

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