「ネットと選挙」について 社会学者・西田亮介氏と乙武洋匡氏が歴史を振り返りつつ解説!

MC乙武氏とアシスタントの千葉ちゃんに加え、西田亮介氏をゲストにお招きしてお送りしている選挙ドットコムちゃんねる。今回のテーマは「ネット選挙」です。

今や世界規模の問題に発展したコロナウイルス感染拡大で、日本全国でほぼ毎週行われている選挙にも、大きな問題が発生。人々が「不要な外出」を控えた結果、前回に比べて投票率が大きく下がった自治体も続出。また、握手や集会といった従来の選挙運動は、いわゆる「濃厚接触」にあたるとし、候補者や陣営もどのように運動すべきか、大混乱に陥っているようです。

そこで注目されるのが「ネット選挙」。今回は、ネットと政治の関わりの歴史をひもときつつ、今後の選挙でネットがどのような役割を果たしていくべきかを考えていきます。

本記事では、番組冒頭の様子をダイジェストでお送りします。続きは、YouTubeの「選挙ドットコムちゃんねる」で、ぜひご覧ください!

総務省の通知は「べき」「べき」だらけで、ほぼ何も変わらず

乙武 「今回の選挙ドットコムちゃんねるは、ゲストの西田さんと千葉ちゃん、そして僕、乙武でお送りします。今回のテーマは『重要性を増す?ネット選挙!』ということですね」

千葉 「はい、最近行われている全国の選挙では、新型コロナの影響で、集会や握手など通常の選挙運動が難しい状況にあります」

西田 「基本、濃厚接触ですからね。選挙運動って」

乙武 「確かに…」

千葉 「総務省は6日までに『選挙は自粛要請対象には該当しない』として、都道府県選挙管理委員会に通常通り行うよう、呼びかける通知を出しました。

通知自体は4日付けで『選挙の実施に際しては選挙活動の自由は最大限尊重されるべきものと説明。どのような選挙運動を行うかは、感染防止策を踏まえたうえで候補者や政党においてそれぞれ判断されるべきだと指摘しています」

 

乙武 「いやこれさ『選挙活動の自由は最大限尊重されるべき、感染防止策を踏まえたうえでそれぞれ判断されるべき』とか、べきべき言ってるけど、そうは言ってもさ~ってところ、ありますよね」

西田 「ありますね。ありますけど、総務省の選挙課はとにかくこういう問題に対して、自分たちで何かやりたくないんですね」

乙武 「だろうね。判断したくない」

西田 「そう、独自の判断をしたくない」

乙武 「でも、それで困るのは現場ですよね」

 

ネット活用を急に決めて困るのは、高齢者の支持を多く集める候補

千葉 「そうですよね。実際5日に告示された熊本県知事選では、一部で日程変更を求める声があがっていたんですけれども、日程は変わらず、立候補を届け出た現職と新人陣営の間で、感染拡大を防ぐために、人の集まる集会を避ける、そしてインターネットの動画配信などで支持を呼び掛けるなどした、ということですね」

西田 「たぶん、地域で紳士協定を候補者の間で組むこと自体は問題ないはずなんですね。だからそういうのは、現状での選挙運動のやり方として、あり得ると思います。

各陣営みんなで集まって『こんな時期だから、握手をして回るような選挙運動を辞めましょう』みたいなね。これを紳士協定にしましょうってやる分には何の問題もないんじゃないですか」

乙武 「ただ世代によって、ネットに親しんでいる世代と、ほとんど触れてない世代があるなかで、まぁネット中心に切り替えてくださいって突然言われると、高齢者層を地盤として持っている候補者なんかは嫌だよね」

西田 「絶対に嫌だと思いますよ。ただし、日本のインターネット普及率は、総務省の調査によると60歳未満に限定すると9割を超えるんですよ。60歳を越えると、急に普及率が下がる。だから高齢者って言っても、意外に60歳くらいまでの人はカバーできるって考え方もありますね」

乙武 「でも日本のボリュームゾーンは60以上だったりするからね」

西田 「実際に投票に行く層も、60歳以上がボリューム大きいですよね。60前後の世代から70歳くらいかな」

乙武 「だからこういう選挙活動になることによって、通常の選挙と比べてある候補者が不利になったり、ほかの候補者が有利になったりということがあり得る」

西田 「だから実際のところ、紳士協定を結ぶのはとても難しい話だと思います。いつもと違う投票行動をされると、困る候補者が出てくるんですよね」

千葉 「なるほど」

西田 「そうすると、結局何にもできないし、何も変わらない」

乙武 「とくに現職は嫌がりますもんね」

西田 「そうなんです~!政治家の方というのは、けっこう願掛けとかも好きで、いつもと同じように選挙したい人が多いんです。いつもと変わらず、自分が勝ったことがあるやり方でやるのが大好きなんですよ。そうですよね、松田さん!」
(スタジオ内にいる松田氏に向かって)

松田氏 (画面外で、激しく同意している模様)

乙武千葉 「あはははは」

千葉 「まあでもこういう状況ですと、乙武さんも言ってくださったように、ネット選挙というかネット上での選挙運動が重要視されてくるのかと思いまして、改めてネット選挙の歴史を簡単にまとめた年表で見ていきたいと思います」

乙武 「あ、96年にもう新党さきがけなどが、ホームページなるものを開設したんですね。これ結構早いんじゃないですか?」

西田 「うーん、ちょっと微妙。なんでかっていうと、まず95年が日本のインターネット元年だって言われているんですよ。なぜかというとユーキャンが主催している流行語大賞ってありますよね、あれの中に『インターネット』っていう言葉がノミネートされたのが、95年。流行語大賞は取っていないんですけどね。

さらにWindows95の発売。今から考えると、すごくつなぎにくいんですけど、当時は一応、インターネットとつなぎやすいっていうのが売りだったんですよね。

それともうひとつ。首相官邸のホームページができたのは94年だと思います。だから政党のホームページが96年にできたっていうのは、むしろ政府に若干遅れを取っていると言えると思いますね」

乙武 「なるほどね。この96年もおもしろいですね。選挙中のホームページの更新は、公選法に抵触と初めて自治省が判断を下したんですね」

西田 「新党さきがけの議員さんが、旧自治省に問い合わせを行って『ちょっと難しいんじゃないか』っていう回答が得られたのが、このときですね。まあこれが、日本の政治史におけるインターネットと選挙の関わりの原点にはなりますね」

この続きは、YouTubeの選挙ドットコムちゃんねるで、実際にご覧ください!
興味深いマスコミと自民党の関係ネタがザクザク語られます。

 

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