北海道・三菱ふそうバス事故 立証困難で不起訴へ

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道央道で蛇行後に横転した三菱ふそう製のマイクロバス=2013年8月、北海道白老町

 北海道白老町で2013年8月、三菱ふそうトラック・バス(川崎市)製のバスが横転し乗客13人が重軽傷を負った事故で、部品の不具合を認識しながら放置して事故を発生させたなどとして、業務上過失傷害と道路運送車両法違反の疑いで告発された同社と同社幹部について、横浜地検が不起訴処分とする方針を固めたことが19日、告発した弁護士への取材で分かった。

 告発状によると、同社幹部らは事故が起こるまでの約8年間、バス床下の金属部品が破損する不具合の報告を18件受けていたが、対策を放置。16年3月に不具合の内容をユーザーに周知するまで、白老町の事故も含め全国で計4件の事故を発生させ、計30人にけがを負わせた、としている。

 さらに、17年と18年に国土交通省へ車両のリコールを届け出た際には、運転手に過失があるように見せかけるため、白老町の事故車両と同じ1992年2月に初年度登録した車両を対象からあえて外す虚偽届け出を行った、としている。

 弁護士によると、同社が自動車ディーラーなどを通じてユーザーに点検整備を呼び掛けていたケースが捜査で判明したと地検は説明。不具合を漫然と放置していたと必ずしも言い難い状況が確認されたとした。

 また、白老町の事故車両がリコール対象車と別の工場で製造され、工程が異なることも発覚したという。届け出の際には第三者機関の判断を仰いでいる点からも犯罪の証明が難しく、地検は両容疑とも立証が困難と判断したとみられる。

 白老町の事故を巡っては、バスの男性運転手が自動車運転過失傷害の罪で在宅起訴されたが、札幌地裁室蘭支部は昨年3月、過失は認められないとして無罪を言い渡した。判決は部品の破損で事故が起きたとする弁護側の主張をほぼ認定。男性の弁護人を務めた弁護士が昨年春までに、地検と神奈川県警に告発した。