日本も参考にすべき? 新型コロナウイルス対策の「成功事例」

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。3月11日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、お笑い芸人のパトリック・ハーランさんが、他国が講じた新型コロナウイルス対策の成功事例を紹介しました。

新型コロナウイルス感染症による感染者数は3月10日時点で、中国では沈静化の傾向の一方、ヨーロッパやアメリカでは感染が急速に広がっています。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府はイベント中止や臨時休校を要請。しかし、いまだ終息の見通しが立たず、不安が募る状況下なだけに、パトリックさんは新型コロナウイルス対策の他国の成功事例を紹介しました。

◆中国南京市の成功例

まずは、新型コロナウイルス感染者数が7万人以上の中国武漢市からおよそ500kmのところに位置する中国南京市で行われた、新規感染者を増やさないための対策を紹介。

どんな対策を講じたかと言うと、「感染者の所在地をマップで通知する」「改札、デパートなどで常に検温を実施」「QRコードやアプリを介して市民の移動経路を記録・管理する」「外国からの来客を隔離(2週間)」「店内飲食禁止」「テイクアウトでは料理人の名前と体温を記述する」「幼稚園、小中高校、大学を無期限休校」など多岐にわたります。

◆台湾の成功例

次に台湾の成功事例として、「先手・最新技術・ビッグデータ」と3つの項目に分けて解説。台湾では2004年から疾病対策体制を一元化、さらには本部を設け、ホットラインを設置しています。それだけに先手対策も素早く、新型コロナウイルスがまだ噂の段階だった昨年12月、中国便に検査員を乗せ症状を確認させていたほか、1月末には人口の倍以上にあたる4,400万枚ものマスクを準備していたそう。

そして、QRコードによる移動履歴のモニタリング、政府による健康情報の管理、感染者が出現した付近の方の携帯へアラートを飛ばしたり、自宅待機を携帯で監視したり、最新技術やテクノロジーを駆使した対策も。

さらに、健康保険と入国管理のデータベースを統合し、感染リスクの高い人を分別したり、入国時にリスクの高い人は強制的に隔離したり、低リスクの人はファストパスするなど、ビッグデータをうまく活用しました。

これらの対策によって「臨時休校をせず、経済活動もほとんどできています」とパトリックさん。

◆日本はどう対策すべき?

一方、日本の感染者数は台湾を上回る数字となっていることから、パトリックさんは「プライバシー面の心配もあるし、日本の技術がまだ追いついていない部分もあるが、台湾のような成功例を参考に日本でもできるのではないか」と主張します。

中国南京市や台湾が講じた移動経路の記録について、パトリックさんは「政治的な目的で使用されないという絶対的な保障があるなら良いと思う」と賛同の意を表しつつも「近年、日本では公文書問題が続いているから国民が(個人情報を)安心して預けられないのも事実」と指摘。

これにはMCの堀潤も「そこが不幸なところ。ものすごく信頼関係が築けていれば"よし、一丸となって協力しよう!”となるかもしれないが、そういった不安がある」と同意します。

元衆議院議員の金子恵美さんは「日本で隔離政策が難しいのは、まさに人権への配慮だったり、今回の特措法(改正案)に関しても、"私的な権利はどうするのか”というところのジレンマや兼ね合いだったりする。でも徹底的に封じ込みをするならば、こうした成功例を参考にするのか。そこは国と国民の信頼関係ですよね」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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