新型コロナ10分で検出 長崎大など、検査システム開発

長崎大などが共同開発した検査システム装置(キヤノンメディカルシステムズ社製・ 提供)

 新型コロナウイルス遺伝子を約10分で検出できる検査システムを、長崎大感染症共同研究拠点の安田二朗教授のグループとキヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)が共同開発し、19日から県と協力して県内で臨床研究を始めた。同大が同日発表した。
 安田教授によると、遺伝子増幅法の一つである蛍光LAMP法を活用。感染者から採取された検体で感度や迅速性を検証したところ、一つの検体に15個以上のウイルス遺伝子があれば、10分以内に検出可能だった。一番類似しているSARSウイルスは検出されず、高い特異性も確認できた。
 現在、国内で実施されているPCR検査は、検体からウイルス遺伝子を抽出する前処理も含めて5~6時間かかる。今回のシステムは前処理を含めても40分以内で、PCR法と同程度の精度で検査できる。実験室レベルでは、従来より簡便な前処理でも検出できることを確認しており、より迅速な検査が期待できるという。A4サイズ、約2キロと軽量で医療現場や離島などで使用できるのも強み。
 県内で感染者が初確認された壱岐市で19日から、感染者に医療行為を実施した医療従事者を対象に臨床研究を始めた。長崎大学病院でも同様の臨床研究を実施する予定。
 安田教授は「この方法では短時間で簡便に検出できるので、多くの検査につながれば。県と相談をしながら、県内に広げていきたい」と話している。

 


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