新たな「海の玄関口」 口之津港ターミナルビル開業

新たに誕生した市口之津港ターミナルで天草行きのフェリーを待つバイク愛好者=南島原市

 長崎県南島原市口之津港ターミナルビルが20日、供用を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のためオープニングイベントは中止に。それでも多くの市民や行楽客が早朝から詰め掛け、新たな「海の玄関口」の誕生を祝った。
 ビルは鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積約1970平方メートル。1階には島原鉄道のフェリーターミナルやバス待合所のほか、市口之津支所、飲食店土産物店がある。2階には市口之津歴史民俗資料館が入った。
 口之津の新しいランドマークを見ようと、開業時刻の午前5時半を待ちかねたように、住民やアマチュアカメラマンらが姿を見せた。バイク仲間4人と九州旅行をしている埼玉県三郷市の会社員、渡辺聡さん(57)は「海がとても美しく、穏やかなシーサイドコースは気持ちがいい。バイク乗り一押しの観光拠点になりそう」と喜んだ。
 松本政博市長は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の原城跡と、天草の崎津集落を結ぶ港は、本県と南九州をつなぐ海の玄関口。観光客だけでなく地元の人にとっても、これまでとはひと味違う景色を楽しんでほしい」と話した。
 ターミナルビルは2018年3月着工した。総事業費約8億7千万円。

 


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