自然循環で有明海再生を 住民らクヌギ500本植樹

諫早湾を望む高台にクヌギを植える参加者=諫早市

 有明海再生に向けた「第1回森里海を結ぶ植樹祭」が20日、長崎県諫早市小長井町広川原地区であり、住民ら約30人がクヌギの苗木500本を植樹した。森と川、海が一体となり、自然の循環を生み出す「森里海連環(もりさとうみれんかん)」の考え方に基づいた地域の再生を目指す。
 植樹祭は住民らでつくる「森里海を結ぶ会」(植木勇次会長)などが主催。当初、約100人が参加を申し込んでいたが、新型コロナウイルス感染抑止対策で規模を縮小した。
 NPO法人「森は海の恋人」(宮城県気仙沼市)の畠山重篤理事長も参加。参加者は約1時間半かけて、諫早湾を望む標高480メートルの畑跡に穴を掘り、苗木を1本ずつ植えた。
 「森里海連環」構想を提唱する田中克・京都大名誉教授は「もともと農業、漁業、林業は“きょうだい”分。森と里と海をつなぎ、未来を生きる子どもたちに豊かな自然を残すスタートの日」と話した。
 クヌギが成長すると、昆虫が生息したり、シイタケ栽培用の木になったりするという。植木会長も「子どもたちが自然に触れる機会をつくるきっかけにしたい」と話した。

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