長崎大が初参戦 九州・大学野球北部1部 私学勢に挑戦

力のある直球を武器に投手陣の中心となる久良=長崎市総合運動公園かきどまり野球場

 4月11日に開幕する第103回九州地区大学野球選手権北部九州ブロック大会1部。日本文理大など全国レベルのチームが所属するリーグに、昨秋、2部で全勝優勝した部員30人の長崎大硬式野球部が初参戦する。今回の出場6チーム中、唯一の国立大が私大勢を相手にどんな戦いを見せるか。4月からの新2、3年生主体のチームは「残留」を掲げて本番に挑む。
 投手陣がチーム浮沈のカギを握る。柱となるのは身長182センチ右腕の久良周一郎。140キロ前後の直球のほか、フォークなども磨いてきた。左の出雲雅弘は制球力があり、手元で伸びる球が武器。カーブが持ち味の山下海斗、くせ球の黒部真人の両右腕を含めて“総力戦”で失点を少なくしていきたい。
 バックは幾竹海斗と林辰哉の二遊間が要。昨秋の2部でMVPに輝いた捕手松尾裕登、ベストナインに選ばれた中堅井手源太とともに、センターラインの堅守で投手陣を支えたい。松尾は「ピンチは絶対にくる。いかに要所を抑えられるか」と気を引き締める。
 攻撃は野手陣唯一の新4年生、大杉遼太郎に注目。パンチ力に加え、3番打者として状況に応じた右方向への打撃もうまい。「昇格は1年のときからの目標だった。でも、記念で出るんじゃなくて、秋も後輩たちが1部でプレーできるようにしたい」と頼もしい。
 ベンチから指示を送るのは高校時代に肘を壊して、学生コーチとして入部した鮎川直哉。「大量得点は難しい。いかに1点をもぎ取れるか」と自らに言い聞かせる。
 リーグ第1週の11、12日は、昨秋まで8季連続優勝中の日本文理大と大分市で連戦。第2週の18、19日は長崎市の県営ビッグNスタジアムで、昨秋3位の近大産業理工学部と顔を合わせる。厳しい戦いも予想される中、主将の幾竹は「楽しみと不安の両方がある。実力は劣っていると思うので、粘り強さや泥くささにこだわっていきたい」と意気込んでいる。

「残留」を目標に1部に挑戦する長崎大=長崎市総合運動公園かきどまり野球場

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