女優・石原さとみさん 長崎で発信「核 終わらせる」

聖火リレーへの意気込みを語る石原さん=長崎市、浦上天主堂

 東京五輪の聖火がギリシャから日本に到着し、全国を巡る聖火リレーが26日に始まる。5月に県内を走る予定の女優、石原さとみさん(33)が2月下旬、テレビのドキュメンタリー番組撮影で長崎市を訪れ、長崎新聞のインタビューに応じた。被爆75年に当たり、平和と核兵器廃絶を願いながら被爆地長崎を走りたいという胸の内を語った。

 

 -今回長崎を訪れて感じたことは。
 長崎原爆資料館をはじめいろいろな場所に行き、被爆者の体験を語り継ぐ「交流証言者」の活動を知った。高校生の署名活動もそうだが、若い世代のきらきらした目から「未来を生きるためにしっかり伝えていく」という使命感が伝わった。こうした活動があることはうれしい。

 -若い世代が被爆者の思いを受け継ぐために必要なことは。
 さまざまな角度から原爆についてアプローチし、伝えていこうとする人たちの存在を知り、受け取る側の問題だと思った。今を生きる人たちが思いを受け取る勇気を持ってほしい。その思いを知った人は、また別の人にアウトプット(発信)してほしいと思う。

 -長崎市の恵の丘長崎原爆ホームで、過去にテレビのドキュメンタリー番組で知り合った被爆者の本多シズ子さん(86)と三たび会ったそうだが。
 私が来ると知った本多さんは「友だちが来る」と言っていたと聞いて、すごくうれしかった。5年半ぶりだったが、すぐに心が通った気がした。これまでに経験した原爆ホームでの時間は、とても大切な時間なんだとあらためて感じた。

 -聖火ランナーとして世界にどんなメッセージを発したいか。
 核廃絶を訴えつつ、今なお紛争で苦しんでいる人たちのために反戦を願いたい。「3度目の被爆地はない」「核を終わらせる」「ここが最後の被爆地だ」と長崎の地から伝えたい。世界中の人に長崎へ来て原爆のことを知り、感じてほしいと思っている。リレーを通してその思いが伝わればいい。

 


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