乳房再建の専用ブラジャー開発「きれいに着たい願いかなえたい」 乳がん経験の社長と医師

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完成した乳房再建手術後の専用ブラジャーを紹介する中村さん(京都市下京区・アボワールインターナショナル)

 乳がん患者向け下着の企画開発会社が、乳房再建手術を受けた後の専用ブラジャーの販売を始めた。アンダーバストの位置がずれたり、左右で大きさが変わったりといった体の変化に対応し、おしゃれも楽しめる。乳がんを経験した社長と医師が2年半がかりで完成させた。

 アボワールインターナショナル(京都市下京区)は、2011年に乳がんで乳房の多くを摘出した中村真由美さん(58)=同区=が立ち上げた。自身の手術後、ブラを探したが地味で選択肢が少ないと、金融機関に勤めながら開発をスタート。下着製造のエレーヌ(伏見区)の協力を得て15年に起業し、バストを保護する機能性とともにデザイン性の高い下着を作ってきた。
 患者の悩みを聞く中で、乳房再建の後、左右のバストのバランスが悪くなり、バストを締め付けたり、左右で違うカップをつなげたりしている人が多いと知った。乳房再建の第一人者、武石明精医師の講演会で「再建後のブラを作りたい」とアピールして共同開発にこぎつけた。
 完成したブラは、乳房を支えるワイヤを左右で変えたり、抜いたりできる。また、ボリュームだけでなく、アンダーバストの位置の調整用にもパッドを入れられる。伸縮性のある構造で左右差のあるバストを包み込み、バランスの調整が可能。患者40人に試着してもらい、すっきりと見える形や色にもこだわった。
 今年4月からは遺伝性乳がんの予防的な乳房切除に公的医療保険が適用され、より多くの女性が再建手術を受けると見込まれる。中村さんは「きれいに服を着たいという願いをかなえたい。乳房再建をする人の希望の下着になればうれしい」と話している。
 ピンク、ライトブルー、紺、クリームの4色。サイズはSから3Lまでの5種類。おそろいでショーツも作った。ブラの価格は9570円から。