川崎・殿町でガード下並み94デシベル 羽田新ルート騒音

羽田空港

 川崎臨海部や東京都心を通過する羽田空港の新たな飛行ルートについて、国土交通省は24日、2月に実施した実機飛行確認の騒音測定結果を公表した。計19カ所で騒音を測定した結果、川崎市川崎区殿町地区における騒音の最大値が94デシベルに達し、最も高かったことが明らかになった。94デシベルは電車のガード下とほぼ同等の音量という。

 川崎上空を飛ぶルートは南風の場合にB滑走路から離陸するケースで使用される。同地区では高度約300メートルを飛行するため、同省は「離陸時であることと、他の場所よりも低空を飛行しているため騒音はどうしても大きくなる」と説明している。

 同省によると、測定は新宿、渋谷、品川各区など東京都内16カ所のほか、川崎、さいたま、埼玉県川口各市の1カ所ずつで実施。2月2~12日のうち7日間で、計約250便が川崎上空を飛行した。

 騒音測定データを分析した結果、約2割の測定地点で、当初想定から1~3デシベル程度音量が上回っていたことが明らかになった。川崎側のルートは想定より1~3デシベルほど低かったが、同省が既に公表していた速報値と同様に、殿町地区の騒音が高くなる傾向が改めて確認された。

 羽田の新飛行ルートは29日に運用を開始する。川崎上空のルートは午後3~7時の間に1時間当たり20便程度が飛ぶ予定。騒音の問題や川崎の石油コンビナート地域の上空を飛行することから、地元住民による反対の声が根強い。

 測定結果を受け、福田紀彦市長は「地元住民や研究機関等の意見を踏まえ、離陸の運用の見直しなど更なる対策について求めるとともに、運用後の国の対応状況をしっかりと確認していきたい」とコメントした。

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