「認められた」と推進派 石木ダム 差し止め訴訟

 石木ダム建設を計画する県や佐世保市などの関係者は、住民らの請求を棄却した判決を評価した。一方で事業の見通しは立っておらず、推進派からは早期完成を求める声が上がった。
 中村法道知事は県庁で報道陣に、「県の主張が認められた」と安堵の表情。県は新年度予算にダム本体工事費約8億円を盛り込んでいる。「できるだけ早期に着手できるよう努力したい。タイミングは全体の状況を見極めて判断すべきではないか」と述べた。
 「石木ダム建設促進佐世保市民の会」の寺山燎二会長は「ほっとしている。県と市は(反対する)住民とできるかぎりの合意を得てダムを造ってほしい」と注文。市議会石木ダム建設促進特別委の長野孝道委員長は「市民の安定した生活のためにはダムが必要。粛々と進めるべきだ」、川棚町議会石木ダム対策調査特別委の田口一信委員長は「川棚川の治水に必要な事業。裁判所の判断に沿って考え、(原告は)事業に協力してほしい」と求めた。


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