トミー・ジョン手術から復活した投手たち 代表格はデグロム

メジャーリーグ公式サイトのデービッド・アドラーによると、1974年9月にトミー・ジョンがフランク・ジョーブ医師による肘の靱帯の再建手術を受けて以降、1000人を超えるプロの投手が「トミー・ジョン手術」を受けてきた。手術後、再起できないまま消えていった投手もいるが、見事な復活を遂げて華々しい活躍を見せた投手も少なくない。アドラーは、トミー・ジョン手術の「成功者」から10人をピックアップ。「成功者」の代表格にはジェイコブ・デグロム(メッツ)が挙げられている。

デグロムは史上初めて「トミー・ジョン手術を受けたあとにサイ・ヤング賞を受賞した先発投手」となった。マイナー時代の2010年10月にトミー・ジョン手術を受けたデグロムは、2014年にメジャー昇格を果たして新人王を受賞。2018年は防御率1.70、269奪三振、昨季も防御率2.43、255奪三振の好成績を残し、2年連続でサイ・ヤング賞に輝いている。

2009年のドラフト全体1位指名で入団し、翌2010年にメジャーデビューしたスティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)は、2010年9月にトミー・ジョン手術を受け、1年後の2011年9月に復帰。2012年以降の8シーズンで7度の2ケタ勝利をマークし、昨季は自己最多の18勝で最多勝のタイトルを手にしたほか、ポストシーズンでも好投を続け、ワールドシリーズMVPに輝いた。

ジョニー・ベンタース(現在フリーエージェント)は2005年、2013年、2014年と3度のトミー・ジョン手術を受けたことで知られている。2010年代初頭はブレーブスの中継ぎエースとして活躍したが、酷使が祟って2013年に自身2度目のトミー・ジョン手術を受け、メジャーに復帰できたのは2018年4月のこと。3度目のトミー・ジョン手術を受けたあとのリハビリ中には4度目の靱帯断裂を経験し、ニール・エラトラシュ医師によってトミー・ジョン手術とは異なる形の手術を受けている。

アドラーは、この3人以外にアダム・ウェインライト(カージナルス)、リッチ・ヒル(ツインズ)、呉昇桓(オ・スンファン:三星ライオンズ)、ジョン・スモルツ(元ブレーブス)、エリック・ガニエ(元ドジャース)、デービッド・ウェルズ(元ヤンキース)、ジョンをピックアップしている。ちなみに、「成功率1%」と言われた手術から復活を遂げたジョンは、通算288勝の過半数となる164勝を手術後に記録。復活後は故障することなくキャリアを過ごし、登板回避はインフルエンザでの体調不良によるものだけだった。

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