安全性が証明された自律移動案内ロボットを公設試験研究機関として初めて都産技研が開発

2020年3月25日
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、施設案内サービスなどに活用できる自律移動案内ロボット Libraの開発に取り組んできました。Libraは、第三者機関である一般財団法人電気安全環境研究所(JET)によって適合性評価が実施され、ISO 13482/JIS B 8446-1に適合していることが証明されました。公設試験研究機関として、安全性が証明された自律移動案内ロボットを開発したのは、都産技研が初めてです。

◆自律移動案内ロボット Libra◆

都産技研では、大都市のインバウンド増加とサービス業の人手不足に技術面で対応するため、施設内で安全に稼働できる自律移動案内ロボットの研究開発を行ってきました。Libraは、来訪者と対話し、施設内の情報を提供したり、目的地まで先導して案内することができます。
安全に関する仕様の一例として、ロボットの重量と潜在的最大速度が、JIS B 8446-1で規定されている本質的に安全な運動エネルギーの目安「93 J(ジュール)以下」となるように設計しました。外装の形状には丸みをもたせ、その素材には難燃性と強度に優れたFRPを使用しました。

Libraの外観

◆第三者機関による適合性評価◆

規格の要求事項を製品が満たしているかどうかを実機試験や文書の精査によって確認する行為を適合性評価といいます。その適合性評価が客観的であるためには、第三者機関に評価を委ねる必要があります。
Libraでは、JETがISO 13482/JIS B 8446-1の適合性評価を実施し、リスクアセスメントの精査からロボットの実機試験までを行いました。衝突安全性試験、挟圧安全性試験、回路の短絡や開放が生じたときのシステムの挙動を確認する故障挿入試験など36項目の実機試験に全て合格し、2020年2月27日付でJETより適合判定の評価証明書を取得しました。

3歳児ダミーを用いた衝突安全性試験

評価証明書

◆成果展開の方法◆

本技術の利用をご希望の企業に対し、ライセンス契約を結んだ上で開発・製造文書など全ての技術情報をご提供します。また、講習会を通じて、Libraをベースにしたサービスロボットの製品化を支援します。

本成果は、サービスロボットの社会実装促進を目的とした都産技研の「ロボット産業活性化事業」の一環です。