新型コロナで3週間ぶり部活動再開 長崎県内県立校 仲間と練習、楽しさ実感

約3週間ぶりに部活動が再開して元気にプレーするソフトボール部の選手たち=大村工業高グラウンド

 新型コロナウイルス対策で禁止されていた長崎県立学校の部活動の多くが25日、再開した。県内各地のグラウンドや体育館に、約3週間ぶりに生徒たちの生き生きとした姿が戻った。
 大村市の大村工業高男子ソフトボール部は検温した後、早速ボールを使って練習。“自主トレ期間”を高い意識で過ごせたのか、山口義男監督らが選手たちの一挙手一投足に注目した。中止になった今月の全国選抜大会で8度目の日本一を狙っていただけに、山口監督は「自信をつける場所、成長できる場所を失った。それを今後の練習で補うことができれば」と話した。
 前川真輝主将は「やっとできるという思い。グラウンドでみんなでやるとモチベーションも違うし、全体の雰囲気もつかめる」。活動停止中は体を動かすことだけではなく、調べ学習による選手間の意見の共有、精神面の強化も重視。「それを今後に生かしていかないと意味がない。いい流れをつくっていきたい」と気を引き締めていた。
 私立で長崎市の純心中も県の方針に沿って同日に部活動を再開。朝夕の交通ラッシュ時を避けるように練習時間を調整し、保護者に送迎の協力を求めるなど対策を工夫している。
 屋内の密閉空間は屋外よりも感染リスクが高まるとされている。バレーボール部は体育館の窓を開放し、掛け声やハイタッチを控え、2人一組での体力トレーニングをなくすなど細心の注意を払っていた。
 初出場する予定だった今月の九州選抜優勝大会は中止に。橋田梨奈副主将は「試合も部活もできない3週間はすごく長く感じた。早くコロナが消えてほしいと思っていた。自宅で壁に向かってスパイクを打つより、みんなでやる方がやっぱり楽しい」と実感を込めた。

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