字節跳動傘下の「飛書」 微信がブロック オフィス系SNSの戦いが勃発か

字節跳動(BYTE DANCE)傘下のSNS製品飛書(LARK)はこのほど、騰訊(TENCENT)のアプリ微信(WECHAT)へのリンクがブロックされ、飛書のユーザーは微信での友達追加、ファイル共有などの操作が行えないことが分かった。

飛書は、2016年にリリースされた字節跳動開発のワンストップ式企業提携プラットフォームである。ここ1か月で、飛書は課金調整を3回も行っており、中小企業と新型コロナ対策機関向けに3年間の無料使用権を提示した。2月28日、飛書は独自のアプリ「飛書会議」をローンチし、騰訊傘下の「騰訊会議」をベンチマークしている。中国最大のSNSアプリ微信は、アクティブアカウント数が11億5,100万人に達している。ただ、本件が明るみにでてからは、微信はいかなるコメントもしていない。

解説:

新型コロナウイルス感染が終息しないことで、中国のテレワークの需要が爆発的に伸び、ユーザー習慣もかなり培われてきている。5Gのビジネス化とデジタルインフラが推し進められるにつれ、今後5年間で、クラウドオフィス市場規模は年間複合成長率12.4%を維持するとみられる。2020年、飛書の急速な成長は、企業微信、騰訊会議に衝撃を与えた。微信が飛書をブロックしたのは、まさに字節跳動と騰訊企業の業務競争の縮図だといえる。騰訊はアクセス量の強みによってまず先制攻撃をしかけたわけだが、ユーザーエクスペリエンスが下がるか、もしくは両者とも程度は異なるが痛手を被ることになるだろう。

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