漢服が流行のファッションに 市場規模は10億元超

近年、中国では「漢服」が一部の若者の間で流行している。漢服市場の消費者は既に200万人を超え、総市場規模は約10億9000万元に成長している。以前は限られた層だけが着ていた漢服は大衆化が進み、普段着として着る若者がしだいに増えてきている。

ECプラットフォームの統計では、今年上半期の漢服の売上は前年同期比で146%増加した。オーダーメイドの高級漢服ブランドの中には供給が需要に追い付かないところも出てきた。平均100元から300元の安価な漢服市場も加熱しており、多くのメーカーで通常サイズの漢服の量産を開始している。漢服ブームを背景に、漢服体験ショップも現れた。観光地の近くでは衣装のレンタルや写真撮影などのサービスを行っている。

解説:

「漢服」とは、明代以前の漢民族の伝統的な衣装を指す。後に王朝が交替したことや戦争が起こったことで継承は途絶えた。現在の漢服文化は、これまでニッチ市場に向けた文化にすぎなかった。品質が悪く、伝統を無視した商品も多かったため、論争が起こっていた。近年の漢服の流行はテレビ時代劇に端を発し、若者の歴史主義の高まりや文化再興のニーズにも応えている。

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