卒業おめでとう

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 「通い慣れたキャンパス…」と胸を張って言うには出席日数がビミョーだったな-毎年この時期になると、すっかり遠い昔になってしまった自分の学生時代のことを思い出す。昨日は長崎大学で卒業式があった▲新型ウイルスに神経をとがらせながら、式は規模を縮小して行われた。ひょっとしたら卒業旅行はキャンセル、恒例の「追い出し行事」もおそらくは控え目だったに違いない。いつもと違う春。昨日がいい天気でよかった▲長崎大の入学者は例年6割以上が県外の出身者だ。初めて親元を離れて独りで暮らす“第2のふるさと”にこの場所を選んでくれた決断に改めて感謝したい▲そんなあなたの期待に、長崎の街や長崎の私たちは応えることができただろうか。皆さんの4年間や6年間が、忘れ難い思い出や、一生モノの大切な出会いに彩られているといい▲一方、学部の卒業者のうち就職するのは892人で、その4分の3は他県に出るらしい。若者の流出に頭を痛める本県には厳しい数字と言うほかない。ただ、一度きりの人生、個人の選択や可能性を縄でつなぐことはできない▲だから、長崎を離れる人の数は、次の自己紹介で「長崎から来た」と話してくれる数-と考えることにしている。皆さん、卒業おめでとう。これからも長崎をよろしく。(智)