コロナ感染 対岸の火事ではない 長崎県内大学、企業に危機感

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 新型コロナウイルス感染が確認された長崎大の男子学生=西彼長与町在住=は帰国後、長崎大学病院が独自に実施したPCR検査で陽性と判明した。国内では海外からの帰国者が発症するケースが急増し、水際対策が強化されている。長崎県内の他の大学関係者は「対岸の火事ではない」と警戒する。
 男子学生は16日、留学先の英国から帰国。18日にのどの痛みが出て発熱などの症状はなかったが、大学病院の専門医の判断で24日、PCR検査を実施。結果は陽性だった。
 PCR検査は6日に公的医療保険の適用対象となり医師の判断で保健所を通さずに実施できるようになった。ただ、県と大学病院は委託契約を結んでおらず、県があらためて法定検査をして感染を正式に確認した。
 大学病院は、長崎大の学生や教職員の感染症の早期発見のため、海外からの帰国者を対象に独自にPCR検査を実施している。これまでに10人以上を検査したが、今回の学生以外に感染者は出ていない。
 長崎大では現在、学生・教職員計100人が海外に渡航中。今後、海外から帰国した全学生と教職員について2週間、出勤・登校を制限する方針だ。さらに新学期開始から2週間はオンライン授業を実施し、感染防止を図る。河野茂学長は「やらないと感染が広がる可能性がある」と危機感を強める。
 県は24日、県内の大学や事業所などに帰国者の健康管理徹底について通知を出したばかりだった。
 長崎外国語大では23人が米国や欧州などに留学中。大学の帰国勧告に従い、いずれも順次帰国する予定だ。「(帰国者の感染は)対岸の火事ではない。教員が留学生と連絡を取り合い健康状態を確認している」と担当者。長崎国際大では米国とカナダに2人が留学しているが、26日までにいずれも帰国予定という。
 県内企業の多くが、感染が拡大している国から社員を引き揚げている。
 金属加工の滲透(しんとう)工業(西彼時津町)は、イタリアの工場に駐在していた社員1人を11日に帰国させた。感染は確認されておらず、26日から本社に出勤予定。工場はイタリア政府の要請で4月3日まで稼働停止している。西亮社長は「現地は相当混乱していたようで無事呼び戻せてよかった」と胸をなで下ろした。