いろんなお店で写真プリントした結果を比較検証してみる

今まで一度も写真をプリントした経験がなかったので、いろんなお店やネットプリントに注文して結果を確認してみました。印刷会社以外はフジフィルムの装置（以下プリンタと言います）でプリントしているようでした。いわゆる銀塩プリントってやつだと思います。

銀塩プリントとは

銀塩プリントは「紙に発色する薬品が潜んでいて、そこにレーザー光を当てて化学反応を起こした部分を現像すると画像が出現する原理」だと思う。厳密にはプリント（印刷）ではないと思う。

印刷とは

銀塩プリントと違って紙の上にインキを乗せるので、原理が全く違う。インクジェット、レーザープリンタ、オフセット印刷、すべて印刷ではあるものの、それぞれ印刷方式が違う。ややこしい。

先に結論

トータル面で「カメラのキタムラ」の勝ち。

検証スタート

複数の写真を注文して比較してみましたが、今回の記事ではこの写真だけ使用します。

注文した写真をもう一度撮影しています。わかりやすくするために少し色味いじったりしています。参考まで。

セブンイレブン

他と比較せず、単体で見ると問題なく感じます。
ただ、比較してしまうと全体的に薄っぺらくて黄色が強く、黒に深みがなくて立体感がない。写真的には解像感がなくて抜け感がない。

特徴は、1枚出力するのに10秒程度と驚異的なスピードがあるので、これが影響するプリンタなのかもしれません。

専用ウェブサイトでデータを送って、コンビニでプリントすることも可能なので楽。

街の写真館

かつてはフィルム現像で流行ったであろう写真館。

店名は言えませんが見た瞬間ズッコけました。我が目を疑うほどで、安くても頼みたくない。

セブンイレブンよりさらに薄っぺらい感じ。黄色すぎて昭和初期のようなレトロ感すら感じる。

サンプル写真と違い実際はもっと赤味が足りない感じ。お店は色の調整はできるはずだが、これでヨシとしているのだろうか。

お店によってかなり違うものと実感した。

カメラのキタムラ

品質は綺麗。黒がはっきりして立体感があり、鮮やか。色のバランスもいいと思うが、やや赤味が強いかな。

ボケた背景の明るい部分は潰れてしまった感はあるけど、銀塩プリントの限界なのだろうか。

店頭で注文も可能だし、ネットで注文して取りに行くなり発送してもらうなりする。

5枚または150円以上送料無料なので、L判1枚30円といっても安かったりする。ネットプリントでは1枚3円で送料500円というところも存在する。

写真コンテストに出すとしたらカメラのキタムラで決まり。

ネットプリント

ネットプリントといってもたくさんあるので、当然ながらサイトによって違う仕上がりになる。同じサイトでも紙の違いとかで複数の価格設定がある。

Flashを使っているサイトは多く、使う気にならない。アプリをダウンロードして注文というのも面倒。

いろいろ調べていると、多くのサイトではほぼ同じシステムの注文画面が多いことに気が付く（フジフィルム）。

また、同じ会社で複数のプリンタを所有していて古い装置と新しい装置が混在していたりする。なので一度注文経験があるとしても安心できない。

複数の写真を注文したものの、仕上がりにムラがあり満足できるものは特にない。街の写真屋より少しマシという程度。背景が潰れすぎ。

しまうまプリント（ネットプリント）

・しまうまオリジナル 6円

とにかく激安。安けりゃいい人向け。

と思ったけど送料は別（後述）。

・FUJICOLOR高級プリント 10円

しまうまオリジナルよりいい紙を使っているらしい。仕上がりは違うと言われれば違うのだが・・・同じといえば同じ。

・プロ仕上げ高級プリント 17円

しまうまオリジナルと同じ紙を使っているので「補正を依頼しないとしまうまオリジナルと全く同じ仕上がりになるが、金額は高いまま」となるので注意。

この対応は理解不能。

中級者以上だったら補正してから注文するはず。

・送料

１００枚以上注文すればメール便送料１００円が無料になるという。だから安くもない。

家庭用インクジェットプリンタ

昔購入したCanonの複合機MG6130で写真プリントしてみた。

5色のインクなので期待したものの、立体感がなく薄っぺらいうえに緑だけが目立つ。上記画像で見るより赤も黄色も弱い感じがする。背景の暗いはずの部分は決して暗くはなく、むしろ明るい。

今は8色のインクジェットとかあるし、補正して上手に使えば外注よりむしろ綺麗になるだろう。なぜなら品質悪いお店が多いのがわかったから。

背景のボケ感のところをよく見るとインクジェットで印刷したと理解できるが、そもそも銀塩プリントとは原理が違うので、別物と考えるべき。

インクジェット印刷機はピンキリなので、それなり物を買えば期待できる。

印刷会社

印刷会社ではチラシなどを大量に印刷する高価なオフセット印刷機と、少部数向けのトナー式レーザープリンタや、1枚モノを取り扱うインクジェットなどのオンデマンド印刷機を設備しているところもある。

オフセットは高いし、オンデマンドは数千円～という会社がほとんどなので、個人が頼むものではなさそう。法人営業やっている会社に1枚だけ30円で頼もうなんて無理な話。

「L判サイズをインクジェットで！」とは気の毒で頼めない。

家庭用インクジェットとの大きな違いはサイズで、会社によるけど幅１メートルでも頼める。

注文する際はDTPソフト（フォトショップ）でCMYKに変換してから入稿した。専門知識はないので適当だが、本来は「高い技術が必要」なので変換も含めて依頼すべきもの。

トナー式オンデマンド印刷

高品質なレーザープリンタで、中堅の機種で800万円くらいするらしい。機種は印刷会社によって違い、出力結果も違う。

銀塩プリントと違うのはまず、ツヤがない。紙の上にトナーを乗せているので、紙の影響というよりトナーがそういうもの。

暗い背景がイマイチ暗くなく、メリハリがなく、街の写真屋レベルに黄色い。頼む会社を間違えたのか、データの作り方を間違えたのか。

トナーの苦手な部分でもあるが、背景のボケ感の網点が滑らかではない。逆に花の細かい部分の再現性は高いので、モノによっては綺麗に仕上がると思う。例えばボケとか空とか肌とか平網が目立つものではなく、網点を気にしないような写真。

オフセット印刷

同じデータを大量に印刷するオフセット印刷なので、個人が頼む機会はほぼないだろう。

トナーと違い、インキが液体なので紙に沈む。紙の影響を大きく受けるのでツヤを出したければそういう紙を使う。

花のピントが合っている部分や蝶々などの細かい箇所について再現性が高く、驚くほど綺麗。

色の再現性は一番近い。

背景はやや潰れているのは仕方ないのかなぁ。

背景のボケ感をよく見ると網点と理解できるので、これをさらに滑らかにするとかある種のモアレを解消する方法はあるが、専門的すぎるややこしい話になるらしい。

現状でこのボケ部分の綺麗さはカメラのキタラに軍配が上がりそうだが、そもそも原理が違うので別物。

また背景の暗い部分の深みはないが、これも原理の違い。プロがそれなりにデータを作ればもっと綺麗に仕上がると思う。素人が印刷会社に頼むなよ、という話かな。とにかく話を聞くほど奥が深すぎる。技術屋さんなのね。

まとめ

銀塩プリントはそれほどランニングコストはかからないとしてもL判1枚5円なんて商売になるんだろうか・・・余計なお世話か。

細かい部分の再現性、色味、両方ともオフセット印刷の勝利だが、高価なので個人では誰も頼まない。

オフセットに比べると鮮やかすぎる感はあるものの、黒色再現の深さなどトータル面でカメラのキタムラの勝利という結論に至りました。というか、銀塩プリントはカメラのキタムラ以外は不満。

品質的に満足するお店と不満なのと、両極端な結果が出た。

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