【MLB】チケット返金なしで1100億円が宙ぶらりん ファン激怒「生活必需品さえ…」

MLB開幕延期により返金を求める声が高まっている【写真:Getty Images】

通常の延期ポリシーに従い代金をキープ、中止でも格安クーポン配布で返金回避?

 スポーツの試合は通常、中止になれば観戦チケット代が返金される。しかし、今回の新型コロナウイルス感染拡大による試合の延期はそうではないようだ。米メディア「USAトゥデー」によると、アメリカではチケット代10億ドル(約1100億円)が“宙ぶらりん”になっているという。

 MLBだけでなく、アメリカでは多くのスポーツが試合を延期。通常の延期の措置と同じく、チケット代の返金はされていないという。中止ではないので返金の義務はないが、「国の経済が落ち込む中、チケット購入者は試合が正式に中止されていなくても返金を求めている」と記事は伝える。

 一方でMLB球団の公式チケット再販サイトのスタブハブは「イベントが延期された場合、チケット購入者は変更後の日程でそのイベントに参加するか、チケットをリセールするかを選択する」と既存のポリシー通り、延期では返金しない旨を発表。スタブハブは手数料が売り上げとなるため、試合が正式に中止となり、購入者に返金することになると売り上げを失うことになる。

 チケット販売会社を支援するチケット・マネジャーのトニー・クノップCEOによると、これを理由にチケット販売会社は「延期を支持」しているという。また中止となった場合でも手元のお金を戻さなくて済むような策を講じており、「現状を踏まえ、イベントが中止となった場合、購入者は購入額の120%にあたるスタブハブのクーポンを受け取ることができます。このクーポンは今後のイベントに使用できます」と将来的な格安オファーを出している。「大惨事です」とクノップ氏は現状を伝えた。

 ファンのアダム・エリクソンさんはSNS上で、「生活必需品さえ購入することができない人たちがいるのに、スタブハブはMLBが試合を正式に“中止”するまで返金しないんだ。このような状況では、もっと良い対応をすべき。正しいことをして!」と訴えている。自宅待機や経済活動の停滞により、失業者の拡大が不安視されるアメリカで、例え少額でも返金を求めるファンは多いはずだ。日本のプロ野球では返金の動きがあるが、MLBは今後どのようにファンに向き合うのだろうか。(Full-Count編集部)

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