【ザ・インプレ】世界最速ベイトリール『ジリオン10(DAIWA)』を斬る! ルアマガ名物ライター・テッペイの徹底レビュー!!

2019年末から2020年初頭にかけて、DAIWAから注目のNEWタイプベイトリールが相次いでリリースされた。そのうちのひとつ、ジリオンシリーズ最新モデルとなる超高速ギアの『ジリオン10』を、タックルについてのうんちくを語らせたら業界で右に出る者はいない“テッペイ”が詳細レポート!!

【Profile】
横沢鉄平(ヨコザワ・テッペイ)
20年以上プロライター兼プロアングラーを生業としてきた男。その割には、メーカー契約ゼロ。それを逆手にとって、一般ユーザー目線の辛口インプレを売りにしている。インプレ中も釣る気満々なのだが、釣果は…。

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ギヤ比10.0を誇る世界最速のスプリンター『ジリオン10』

アメリカで最高峰ツアーをトレイルしているトッププロ大森貴洋さんが熱望したギア比10.0の世界最速級ベイトリール。超ハイギアの高速巻きが異次元リアクションを誘発し、圧倒的な回収速度がキャスト効率を極限にまで高める。高精密マシンカットされたスーパーメタルボディは、その超速回転をしっかりとサポート。他の追随を許さない、筋骨隆々のスプリンターだ。

●ギア比:10.0●最大ドラグ力:4.5kg●自重:215g●ナイロン糸巻量:16lb-40~80m●最大巻上長:106cm/ 1回転●ボール/ローラーベラリング数:10/1●価格:43,000円(税抜き)※写真はジリオン10.0L SV TW
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黒を基調としているが、随所に青みがかった金属色が配されている。これが冷徹なイメージを与える。そして、ドラグノブ、ハンドルなどは暗めのメタリックブラウンで、渋みを帯びた高級感をそこはかとなく漂わせる。かつての武骨さは洗練されてシャープになった。

チェックPOINT②回転・巻き心地/抵抗の弱いルアーほど吉と出る巻き心地

ギア比10.0は、文句なしに巻き上げが早い。極めて高いボディ剛性は特筆もので、巻き心地はいい。さすがに強い抵抗のクランクなどを速巻きすると、パーミングする手の中で持て余すことはある。

しかし抵抗の弱いルアーなら、高速巻きのメリットが際立ってくる。

チェックPOINT③キャストフィール

キャスティング

遠投するならブレーキを6程度にするといい。追い風で1/2ozのジグを投げると、糸が全部出そうなほど飛んだ。そして、7gのシャッド(ゲキアサシャッド/イマカツ)から100g超のビッグベイト(ブルシューター160/デプス)まで、ラインさえ合っていれば普通に投げられる。必要に迫られれば、スモラバまで使用可能だ。

ピッチング

最初1/2ozのジグでピッチングすると、目を疑うほど飛んだ。これがG1ジュラルミンスプールとエアブレーキのなせる業か? 7g前後のテキサスリグもビシバシ低い弾道で決まる。

ギア比が高いので手返しもいいし、ピッチング専用機としても十分使えるぞ!!

チェックPOINT④ブレーキ/原則は10、あとはその前後の微調節

20段階のダイヤルのうち、オールマイティーなのは10になる。逆風なら12くらいで大丈夫。ピッチングの場合、トラブルも少なく、飛距離も出るのが8くらい。オーバーヘッドで心地よく遠投したいなら5か6がいいだろう。調節が面倒なら10にしておけばいい。

チェックPOINT⑤ドラグ/使いやすいし、パワーも十分なドラグ

根がかりしたついでに、すかさずドラグのテストをしてみた。ノブを緩めると、一瞬固着してる? と思ったが、すぐに滑り始めて問題なし。フルロックさせるパワーもあるし、調節も楽だった。バス相手なら全く問題なし。

チェックPOINT⑥総合的使用感/ロングディスタンスな釣りには最高に適する

適しているのは、撃ちもの全般。そして抵抗の弱いシャッドやバイブレーションを速く巻く釣り。そして、対岸やピンポイントまで遠投して狙う釣り。遠投と巻きアワセが得意で、回収が早いから効率がいいのだ。強抵抗のプラグにはあまり勧めないが、S字系は使える。

チェックPOINT⑦価格/最先端を行くコンセプトでこれは安い

現時点での市場価格は3万4000円台~といったところ。ジリオンブランドの信頼性もあるし、コンセプトは最先端、性能は十分に高いので、買って損することはない。ただし、10というギア比に必要性を感じるかどうかが問題だ。

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個人的には岸釣りの遠投専用機として使いたいね。ピックアップが早いから、ボイル撃ちにも適していると思う。

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