画像は『モバイルPASMO for Android』サイトより
2020年3月18日から「モバイPASMO」がスタートしました。基本的に既存の〝板カードPASMO〟をスマホアプリで利用するという内容はJR東日本の「モバイルSuica」と同じですが、細かなところで違っているんです。そこで今回は「モバイルPASMO」を「モバイルSuica」との違いという点からご紹介してみましょう。
[1]利用端末
「モバイルPASMO」を利用できる端末はAndroid(※購入時にAndroid6.0以上がインストされたおサイフケータイ対応端末)だけで、iPhoneを含むその他の端末では利用できません。ちなみに「モバイルSuica」はAndroidスマホでもiPhoneのApple Payでも使えるんですけど…。今後の対応予定なども発表されていませんので、現状で「モバイルPASMO」を使いたいiPhoneユーザーはAndroid端末を別に用意しないとダメです。また、Android端末でも「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」を両方利用できる機種は限られているので、モバイルPASMOのホームページで確認してみましょう。
[2]クレジットカード
「モバイルPASMO」で登録できるクレジットカードはVISA、Mastercard、JCB、American Expressの4種類です。また、登録するときに本人確認サービスの「3Dセキュア」が必須のため、これに対応していないカードや海外発行のカードは利用できません。一方、「モバイルSuica」はビューカードのほか、JCB、VISA、Mastercard、American Express、Diners Club、JR東海エクスプレス・カードに対応しています。ただ、「モバイルPASMO」も4つの国際ブランドが利用できるため、そう不便は感じないのではないでしょうか。
[3]定期券
「モバイルSuica」では発着駅のどちらかがJR線の駅でなければ定期券は購入できませんでした。しかし、「モバイルPASMO」が登場したことで、発着駅が私鉄や地下鉄、バスの定期券をモバイルで購入することができるようになります。ただし、既存の「PASMOカード」から「モバイルPASMO」へ残高や定期券情報を移行することはできないので注意しましょう。
[4]ポイント制度
交通系電子マネーのポイント制度は大きく分けて2種類あります。1つは「乗車するごとに貯まる」で、もう1つは「電子マネーの買い物で貯まる」というシステム。ちなみにSuicaでもPASMOでも、事前に公式サイトでの会員登録や端末登録をしていないとポイントをもらえないので、必ず登録するようにしましょう。それでは、これらのポイント制度について「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」を比較していきます。
<乗車するごとに貯まる>
「モバイルSuica」はJR東日本の在来線に乗車すると一定の「JREポイント」が貯まります。一方、「モバイルPASMO」は「メトロポイントクラブ(通称メトポ)」が対応していて、東京メトロ線への乗車で一定の「メトポ」が付与されます。
ただし、従来の「PASMO」で利用できた東京都交通局のポイントサービス「ToKoPo」が現時点では「モバイルPASMO」未対応など、会社によって異なるので確認してみましょう。ちなみにPASMOはいろんな会社が集まって運営されているため、ポイント制度も各社独自に提供していてSuicaよりはるかに複雑なのがネックです。
<電子マネーの買い物で貯まる>
所定のショップでチャージした電子マネーの支払いをすることでポイントが還元されるシステム。PASMOはどれだけ買い物してもポイントは貯まりませんでしたが、2019年からスタートした「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象となったことで同事業の還元ポイントは貯まるようになりました。Suicaも従来の〝買い物ポイント〟に加えて、「キャッシュレス・消費者還元事業」の還元も受けられます。
「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」を比べてみると、細かなところで違っていることが分かったのではないでしょうか。この差を把握しながら、どちらかを選んだり、併用してみたり、自分にベストな使い方を見つけてみてください。(文◎百園雷太)