【新型コロナウイルス:続報】ついにイギリスもロックダウンに!現地からの最新情報

新型コロナウィルスの世界的な大流行(パンデミック)の勢いがとまりません。イギリスも3月23日(月)からついに外出禁止のロックダウンに。在英ライターが現地の様子をお伝えします。

現在のイギリスの状況

3月25日現在、政府の発表によると97019人がウィルス検査を受け、うち感染者数9529人、死亡者数465人となっています。

イギリス政府によるコロナ情報ページへ

パンデミックの中心がヨーロッパに移ってからのイギリス

3月に入り北イタリアからイタリア全土へと広がった新型コロナウィルスの猛威が日々報道され、それとともにイギリスの感染者数も日に日に増加していきました。3月11日には、WHOがCovid-19はパンデミック(世界的大流行)と定義しました。この時イギリスの感染者数は456人になっていました。

イギリスはイタリアの2週間遅れと言われており、ニュースで報道されるイタリアの悲惨な状況が2週間後のイギリスの姿としてとらえられ恐怖感を抱く人も増えていきました。それに伴い3月10日ごろには学校を閉鎖した方がいいのでは? という世論も多く聞かれるようになってきました。

その後の主なイギリスでの時系列をご紹介します。

3月15日(日)70歳以上、何らかの既往歴がある人たちは自主隔離に。

3月20日(金)パブ、レストラン、映画館、ジムなどの閉鎖。

3月23日(月)学校の閉鎖(医療関係、警察、物流に携わる人たちの子供は除く)

3月23日(月)最低3週間のロックダウンスタート

ロックダウンとは?

ヨーロッパでもイタリア、フランスがイギリスより先にロックダウンに入っておりイギリス現地でもいつロックダウンになってもおかしくないという認識のもと買占めなどが起こっていました。

では、ロックダウンとは? 家から一歩もでられなくなるの!? 実はそうではありません。絶対に必要な理由以外での外出が禁止ということです。

以下の理由での外出は許可されています。

1、仕事に行く

(ただし、医療関係や物流関係のどうしても必要な仕事のみ、それ以外は在宅勤務もしくは休業に追い込まれています。)

2、食料品、医療品などの生活必需品を買いに行く

3、一日に一度は散歩やジョギング、サイクリングなどの適度な運動のために外出するのはOK。犬の散歩もOK。(ただしいっしょに行けるのは同じ世帯の家族のみ)

とにかく感染を広げないために、友人はもちろん、家族であっても同じ世帯でない場合は訪問したりすることはできません。

法的には違反の場合は警察が介入することができますが、驚いたことに大半のイギリス人はこのルールをしっかり守っており街や通りは本当に静かです。

買占めは減ったものの入場制限の厳しい買い物事情

感染をできるだけ少なくするために、人との距離は2m以上とるように決められています。そのためスーパーマーケットも一度に何人までと決められているため、スーパーの外には出てくる人を待つ長い列ができているところもあります。また、買占め予防のために1回に同じものは2品ずつと決められています。ただ、一時のパニック的な買占めはなくなり、ほぼすべての商品が店頭に並んでおり在住者としても一安心しています。

イギリス人が誇るチャリティースピリット

世界中で現在では当たり前に存在するチャリティ活動ですが、イギリスが発祥のものが多く古くは17世紀から始まったと言われています。そのため、イギリスでは困っている人がいたら地域や社会で支えていこうというチャリティ精神がとても強く、そしてイギリス人たちはそれを誇りに思っています。

今回のパンデミックの渦中でもさまざま場面でそのチャリティスピリットを感じることができます。例えば、スーパーでは、70歳以上のお年寄りやNHS(イギリスの国民医療サービス)などの最前線で働く人たちが優先的に買い物ができる時間が一日に1時間ほど設けられています。

また、学校も閉鎖されているものの実際は、NHS関連、警察、消防、物流関連の仕事の人たちの子どもを預かるためにほとんどの学校が今も約20%ほどの子供の面倒を見ています。

今後2~3週間で一気に患者数が膨れ上がると予想されているイギリスの医療機関では、さまざまなボランティアを募集しています。募集開始2日間で5万5千人を超える人のボランティアの登録があったそうです(3月26日現在)。

逆に現在ロックダウンのため外出が許されず、チャリティ活動が滞ってしまっているため支援が行き届いていないホームレスに対して、政府や各自治体がホームレスの人たちを保護して現在は休業状態のホテルに収容する動きも多く報告されています。

一日も早くパンデミックの収束を願う

まだまだ勢いの止まらない新型コロナウイルスですが、一日も早いウィルス自体の収束とそれに伴い大打撃を受けている経済の回復を願わずにはいられません。

[参考]

イギリス政府のコロナ関連情報へ

BBCニュースへ

NHSのホームページ

[All photos by Shutterstock.com]

© 株式会社オンエア