「気候非常事態宣言」を 東彼杵の中学生が署名運動

東彼杵町に「気候非常事態宣言」を求めて署名を集めている中学生=同町

 自治体などが気候変動への危機感を表明し、対策に取り組む「気候非常事態宣言」を長崎県東彼東彼杵町で出してもらおうと、町内の中学生が署名を集めている。条例制定直接請求の目安となる約160筆分を目指し、町と町議会に働き掛ける予定だ。
 「気候非常事態宣言」は2016年12月、オーストラリアのデアビン市が最初に実施した。国内では昨年9月に壱岐市が初めて宣言。長野県や神奈川県などに広がっている。
 取り組むのは、この春町立東彼杵中を卒業した3年生の有志。代表の岡本湧月さん(15)は授業で地球温暖化について学び、環境保全や気候変動対策につながる行動を起こしたいと考えていた。そんな時、高校生の署名運動がきっかけで自治体が「気候非常事態宣言」をした事例を知った。「自分たちにもできそう」と友人に呼び掛け、行動を開始。現在までに町民約130筆分を集めた。今後は道の駅での街頭活動や店舗への署名用紙の設置依頼を考えている。
 宣言後に町が取り組める具体的な政策も提言しようと勉強中。再生可能エネルギーの推進やごみ分別の徹底、食べきり推奨店制度の導入などで「環境に優しい町」のイメージ定着を促すつもりだ。レジ袋を断ったり、マイボトルを持ち歩いたりするなど自らも環境に配慮した生活を心掛けている。
 スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(17)にも刺激された。メンバーの竹下恋花さん(15)は「同じ世代で行動を起こす人がいる。私たちにできることに協力してほしい」と話す。署名への協力はメール(khtiinhs@gmail.com)でも受け付けている。

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