新型コロナで景況低迷 1~3月期 暖冬も影響 長崎県内企業景況調査

 十八銀行系のシンクタンク、長崎経済研究所(長崎市)は2月に実施した県内企業景況調査の結果を公表した。全産業の業況判断指数(BSI)は、1~3月期がマイナス24と低迷。記録的な暖冬に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動の停滞、景気減速への懸念が広がった。

 BSIは、前年同期と比べて業況が「好転」と答えた企業の割合から、「悪化」と答えた企業の割合を引いた数値。2月末までの1カ月間、県内主要398社にアンケートし、320社(製造業80、非製造業240)が回答した。
 昨年10~12月期実績もマイナス24。消費税増税の駆け込み需要の反動減や暖冬の影響で前期のマイナス11から落ち込んだ。4~6月期の見通しはマイナス19とやや持ち直すが、同研究所は「感染の終息時期が見通せず、不透明感が強まる」とみている。
 1~3月期を業種別で見ると、製造業はマイナス27。このうち電気機械は感染拡大を受け、中国工場の停止や再開遅れで受注が停滞。食料品は観光客の大幅減少で土産品の売り上げに響いている。
 非製造業はマイナス23。運輸は国内外での移動制限やイベント自粛のあおりを受け、建設は中国からの資材調達が滞っている。卸売はマスクや消毒液の供給が停滞し、暖冬で農産物の生育が早く、在庫過剰で価格が下落。小売は暖冬で衣料など季節商材の動きが鈍ったのに加え、消費者の買い控えや感染対策の営業時間短縮が響いた。サービスは、訪日外国人客の大幅減少やイベント・外出の自粛で旅行宿泊の予約キャンセルが相次いでいる。

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