YOSAKOIさせぼ祭り 会場縮小を懸念 名切地区の再整備 実行委、市と事業者の協議要望

YOSAKOIさせぼ祭りのメイン会場となっている中央公園のスポーツ広場。参加チームの頂点を決める演舞が繰り広げられる=2019年10月

 佐世保市が進める名切地区の再整備を巡り、中央公園のスポーツ広場をメイン会場として利用するYOSAKOIさせぼ祭り実行委員会(本田英樹実行委員長)から会場の縮小を懸念する声が上がっている。実行委は市に対し、事業者との話し合いを要望。事業者は応じる方針だ。
 祭りは1998年に始まり、西日本最大級のよさこいイベントに成長した。スポーツ広場は参加チームの頂点を決める演舞が繰り広げられ、スポットライトや観客の注目を浴びる“最大の見せ場”として定着していた。実行委によると、昨年はこの広場に2日間で延べ7万2千人が集まった。
 中央公園のリニューアルは「庭建パークマネジメント」(佐世保市)が担う予定。同社の計画案によると、広場のうちよさこい会場として使っている約1万平方メートルに駐車場や子ども向け施設などを整備。約3500平方メートルに減る。一方でよさこいの会場として使えるよう常設のステージを造ることを盛り込んでいた。
 実行委は、屋台の場所が確保できないことや常設のステージの広さが十分ではなく、これまで通りの規模で開催できるか懸念。2月21日、朝長則男市長に宛て、市と事業者との意見交換の場や、広い平地を確保するため、建物の配置などを再考するよう求める要望書を提出した。本田委員長は「会場の広さが半分以下になる。屋台も含めた会場が『祭り』なので、にぎわいがなくなるのではないか」と不安を口にする。
 同社は、市も交えた実行委との協議に応じるほか、市民と公園の活用について対話の場も設ける予定。田雑豪裕代表取締役は「市民のフロンティア精神を育てる公園にしたい。町のにぎわいを創出させるために市民と一緒に佐世保を盛り上げたい」としている。
 朝長市長は27日開かれた記者会見で「今までどおりとはいかないと思うが、できる限り名切でできる態勢をつくりたい」と述べた。

 


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