【MLB】新型コロナ禍でドラフトが大規模縮小 NPBを選択する選手が増えるとの声も

ソフトバンクのカーター・スチュアートJr.【写真:藤浦一都】

ドラフトは本来は40巡目までだが、今年は最少で5巡目まで規模を縮小して実施予定

 メジャーリーグ(MLB)機構とMLB選手会は26日(日本時間27日)、開幕が延期されている2020年シーズン対応策について協議。6月に予定されていたドラフトは7月以降の開催とし、本来は40巡目まである指名順位を10巡から最少で5巡目までに規模を縮小して開催することになった。これを受けて大物代理人のスコット・ボラス氏はアマチュア選手がダメージを受けるなどと“反発”している。フロリダ地元紙「フロリダ・トゥデー」が伝えている。

「フロリダ・トゥデー」は「MLBの新しい取り決めは将来のドラフト指名選手たちに多大な損害をもたらすとスコット・ボラス代理人は考えている」と説明。この取り決めは27日(同28日)、MLBオーナーにも承認されたが「アマチュア選手たちはこの取り決めにおいて(今後)多大なダメージを受けてしまうことになると、大物代理人であるスコット・ボラスは心配している」と伝えた。

 ボラス氏は「野球に情熱を傾ける若者たちにこんなことをするとは、彼らは自身の良心というものを調べる必要がある」と記事内で憤りを露わにし、こう続けている。

「(以前より)多くの若者たちが大学に行かざるを得なくなる。そして(ドラフトで)トップ200に入らない選手は学校に戻るしかなくなってしまう。6巡目に指名される高卒の選手は良い才能だ。大卒の8巡目の選手も良い才能を持っている。彼らはオールスター級の選手になる可能性もある」

 ドラフトの大規模縮小についてはアマチュア球界関係者や記者からも声が挙がっている。米アマチュアスカウトでオーチャードレイクストリートメアリー高校の野球コーチ、ブライアン・サコウスキーさんはツイッターに「カーター・スチュワートの道を歩む者が出てくるのだろうか」と綴った。ソフトバンクに在籍するカーター・スチュワートJr.投手は2018年全米ドラフトでブレーブスから1巡目(全体8位)指名を受けながら入団せず、日本球界入りを選んでいる。

 米国の野球専門誌「ベースボール・アメリカ」の記者カルロス・コラゾ氏は自身のツイッターに「ドラフトが最終的に10巡目まで行われることを切に願っている、いずれにせよ、ドラフト自体が行われるのは良い知らせだ」と記した。

 本来は40巡目まであるドラフトが大規模縮小を余儀なくされれば、指名漏れした選手がNPBに目を向ける可能性は十分にある。20歳のスチュワートのような若き才能が日本にやってくる可能性が生まれつつある。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2