佐世保市 名切地区・中央公園リニューアル 民間管理で財政負担減図る

全国初の取り組み「Park-PFI」と既存法併用

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中央公園リニューアルのイメージ(佐世保市提供)

 佐世保市は名切地区再整備の一環として、PFI(民間資金活用による社会資本整備)による中央公園のリニューアルを進め、2022年度の供用開始を目指している。改正都市公園法で創設された公募設置管理制度(Park-PFI)を導入しつつ、既存のPFI法も併用。財政負担の軽減を図る「全国に例がない取り組み」という。事業の特徴や課題を探った。

 多くの人が行き交う市中心部の商店街。しかし近くにある中央公園への人の流れは少ない。入り口付近にあるスポーツ広場の使用は予約制で、利用者がいない日もある。かつては球技を楽しむ市民の姿が目立ったが、年間の予約率は3割程度にとどまるという。
 市中心部のにぎわいを創出するため、市は2011年以降に中央公園を含む名切地区の再整備を検討してきた。朝長則男市長は重要施策「リーディングプロジェクト」の一つに位置付けている。16年度には官民連携事業を推進するため、行政と民間企業が意見交換するプラットホームを設置。中央公園のリニューアルはこの第1弾となる。
 注目したのは、17年の都市公園法改正で創設されたPark-PFI。民間事業者が公園で飲食店などの収益施設を設置しやすくする代わりに、公園の公共部分の整備費を一部負担してもらう制度だ。

 ただ、新たな公園整備には市も「公的資金」として約9億円の支出が必要。既存のPFI法では、この「公的資金」の費用を民間事業者が金融機関から借り入れ、一時的に立て替えさせることができる。この法律を併用することで市は「公的資金」の費用を民間事業者に分割で返済でき、急激な財政負担を緩和できるという。
 市は昨年7月、リニューアルに参加する民間事業者を公募した。12月に佐世保市の造園業「庭建」を代表企業とするグループを優先交渉権者に選定。公園の整備と管理運営の委託を決めた。
 グループは、屋内外の遊び場のほか、地域物産店、キャンプ場、駐車場などを整備して人を呼び込むイメージを提案。コンセプトは「そだてる公園 市民とともにつくる佐世保フロンティアパーク」。4月から設計に入り、21年度から工事を始める。

中央公園のリニューアルで提案された施設の配置設計図(佐世保市提供)

 戦前、中央公園の敷地には住宅があり、1945年の佐世保大空襲で焼け野原となった。戦後は米軍が接収。66年に日本への返還が決まり、「市民がつくる、市民のための公園」として整備された。
 こうした歴史を踏まえ、市は地域住民との意見交換を続け、「新しい公園の設計にできるだけ反映させたい」とする。一方、地元の中部地区自治協議会の河野政敏会長(89)は「使用料金を含め、市民が気軽に立ち寄れる施設でなければテーマパークと変わらない」と指摘。「長く親しまれる公園となるよう、地域の声をしっかり吸い上げてほしい」と求めている。