サイ・ヤング賞0回の名投手たち ダルビッシュの名前も

日本時間3月30日、史上最多の通算511勝を誇るサイ・ヤングの誕生から153年となったことを受けて、メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガンは「サイ・ヤング賞を受賞したことがない名投手」を特集する記事を公開した。最も優れた投手を表彰するサイ・ヤング賞が設立されたのは1956年だが、ハリガンの特集記事のなかでは1900年以降の名投手たちが紹介されている(記事中で使用されているWARはBaseball-Referenceが算出しているもの)。

まず紹介されているのは、サイ・ヤング賞設立以前の名投手たちである。ウォルター・ジョンソン(通算WAR164.5)、グローバー・アレクサンダー(同119)、レフティ・グローブ(同106.7)、クリスティ・マシューソン(同106)、カール・ハッベル(同68.2)といった伝説の名投手たちは、自身の現役時代にサイ・ヤング賞のようなアウォードが存在していれば、何度も受賞していたことだろう。

次に、惜しくも受賞できなかった名投手たちが紹介されている。バート・ブライレブン(同94.5)は1984年と1985年にア・リーグのサイ・ヤング賞投票で3位、マイク・ムシーナ(同82.8)は1999年にア・リーグ2位、ノーラン・ライアン(同81.3)は1973年にア・リーグ2位、カート・シリング(同79.5)は2001年、2002年、2004年と3度にわたってナ・リーグ2位、ケビン・ブラウン(同67.8)は1996年にナ・リーグ2位にランクインしたが、最後までサイ・ヤング賞の受賞者となることはできなかった。

現役投手からは、「現時点で受賞しておらず、今後も受賞できない可能性が高いベテラン投手」として5人がピックアップ。コール・ハメルズ(ブレーブス:同59.5)、ジョン・レスター(カブス:同44.8)、アダム・ウェインライト(カージナルス:同40.5)、マディソン・バムガーナー(ダイヤモンドバックス:同36.8)、ジョニー・クエイト(ジャイアンツ:同32)という顔ぶれである。この5人のなかでは、レスター(2016年)、ウェインライト(2010年と2013年)、クエイト(2014年)の3人がサイ・ヤング賞投票で2位にランクインした経験がある。

また、「今後もまだ受賞の可能性がある投手」も5人がピックアップされており、クリス・セール(レッドソックス:同45.3)、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ:同33.5)、ゲリット・コール(ヤンキース:同23.9)、ダルビッシュ有(カブス:同22.4)、パトリック・コービン(ナショナルズ:同17.1)という顔ぶれ。セール(2017年)、コール(2019年)、ダルビッシュ(2013年)はいずれもサイ・ヤング賞投票で2位にランクインした経験があり、今後の活躍にも期待したい。

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