植松被告が控訴取り下げ やまゆり園事件、死刑確定へ

横浜地裁

 県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で2016年7月、入所者と職員計45人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われ、一審で死刑判決を受けた元職員植松聖被告(30)が30日、弁護側の控訴を取り下げた。横浜地裁が明らかにした。控訴期限を迎える31日午前0時で被告の死刑が確定する見込みとなった。

 被告の弁護側が27日、死刑判決を不服として控訴していた。被告は公判で「控訴はしない」と明言。判決後の神奈川新聞社の接見取材でも、自ら控訴を取り下げる意向を示していた。

 刑事訴訟法では、控訴を被告が取り下げた場合、弁護人が再度控訴することを認めていない。判決確定後に弁護人が取り下げの無効を申し立てることはできるが、認められた例はほとんどない。

 判決によると、被告は16年7月26日未明、やまゆり園に侵入し、包丁で突き刺すなどして入所者19人を殺害したほか、職員2人を含む26人に重軽傷を負わせた。

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