ゲートウェイへの補給物資運搬ミッション、初の選定はスペースX

NASAが推進する月面有人探査計画「アルテミス」では月周回有人拠点(ゲートウェイ)を建設し、月面への中継点とすることが予定されています。このゲートウェイに補給物資を運搬するミッションを担当する民間企業の第一号としてスペースXが選定されたことを、NASAが3月28日に発表しました。

■5トン以上の物資を運べる新型の補給船を使用

ファルコン・ヘビーの第2段(左上)から分離され月に向かう補給船「ドラゴンXL」を描いた想像図(Credit: SpaceX)

NASAの発表によると、アルテミス計画では1回の月面探査ミッションにつき1回の補給物資運搬ミッションを実施。地球から打ち上げられた補給船はゲートウェイに到着するとそのまま半年~1年ほど滞在し、「オリオン」宇宙船で到着した宇宙飛行士がゲートウェイや月面で過ごすのに必要とする物資を供給します。この補給船によるミッションを担当する企業の一社として、今回スペースXが選ばれました。

スペースXは2012年から国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資運搬ミッションを実施しており、今月9日には「ドラゴン」補給船の20号機がISSに到着しています。スペースXの公式Twitterアカウントによると、ゲートウェイへの補給には5トン以上の物資を搭載できる新型の補給船が用いられることになるようです。NASAの発表ではこの補給船が「ドラゴンXL」の名で紹介されており、打ち上げにはファルコン・ヘビーが用いられることにも触れられています。

SpaceX will launch a variant of Dragon, optimized to carry more than 5 metric tons of cargo to Gateway in lunar orbit https://t.co/NdJaFU1xSD

— SpaceX (@SpaceX) March 27, 2020

なお、NASAではゲートウェイへの補給物資運搬ミッションに複数の企業を選定することを想定しており、選ばれた企業は最低でも2回のミッション受注が保証されるとしています。

Image Credit: SpaceX
Source: NASA
文/松村武宏

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