感染拡大で進む首都封鎖の計画…実施されたらどうなるのか?

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連日、会見で注意を呼びかけている小池都知事(写真:時事通信)

「“ロックダウン”と聞くと、人けが消えてしまった中国・武漢や、フランス・パリの街並みなどをイメージする人も多いと思いますが、そうした光景が東京にも現れる可能性が高まっているのです」

そう語るのは、全国紙の政治部記者。小池百合子東京都知事の3月25日の緊急会見以来、ロックダウン(都市封鎖)や首都封鎖という言葉が報道で頻出するようになっている。

この言葉について、菅義偉官房長官は《数週間、都市を封鎖したり、強制的な外出禁止や生活必需品以外の店舗閉鎖などを行ったりする措置》と、説明した。だが、その法的根拠の説明は難しい。ニッセイ基礎研究所・保険研究部研究理事の松澤登さんは言う。

「小池知事のおっしゃった“ロックダウン”ですが、会見を聞いていても具体的にどういう状況を指すのか不明ですので、コメントは難しいところです。小池都知事によるお花見の自粛要請には、法的根拠はありませんでした。しかし政府による緊急事態宣言が東京都を指定して出された場合は、都知事は外出自粛要請や興行場の利用停止や催しものの停止要請や指示ができるようになります」

つまり“首都封鎖”は、安倍晋三首相と小池都知事が協力しないと実現しないということになる。だが前出の政治部記者が続ける。

「実は官邸と都知事の間で、すでに首都封鎖の実行計画は詳細に検討されており、期間は最大で3週間にも及ぶ可能性があるそうです。安倍首相は3月28日の会見で、『自治体との緊密な連携のもと、最悪の事態を想定しながら、感染拡大の防止に全力を尽くす』と、語っています。また同じ日、東京都では新たに63人の感染者が確認されました。今後どこまで急増するかにもよりますが、『早ければ4月初旬に実行する。その場合は、発表から実施までの準備期間も短いので、外出禁止期間は5日間程度になるだろう』と、ひそかにもらしている閣僚もいるのです」

首相と都知事では、決行に対しての温度差もあるという。

「景気の悪化、ひいては自身の支持率ダウンを懸念している首相に対し、小池都知事のほうが積極的なようです。『危機感の薄い若者たちの意識を改革するためにも、そして感染爆発を防ぐためにも、ロックダウンが必要となるときが来る』と、周囲に語っていると聞いています」

都道府県知事たちが“移動制限”のために行使できる権限も拡大している。

「3月26日に感染症法の政令などを一部改正することが閣議決定され、翌27日に発令されています。商業施設やビルなどで集団感染が確認され、消毒作業が追いつかず、まん延を防ぐために緊急の必要があると認められた場合に限って、都道府県知事は建物の封鎖や立ち入りの制限をできるようになったのです。また建物に入れないよう周辺の道路などを最長で72時間遮断できます」

ひそかに着々と準備が進められている首都・東京の封鎖計画。現時点では具体的にどこまで活動が制限されるのかはまだ明らかになっていないが、すでにロックダウンが実施されている海外の都市での例が参考になるかもしれない。アメリカ・ニューヨークに住む日本人ジャーナリストによれば、

「3月22日からは、薬局やスーパーなどを含めた食料品店、銀行などしか営業していません。マスクも含めた日用品などは、インターネットで注文することはできます。でも服や靴などを自分で試着してから買いたいという人は不便かもしれませんね。地下鉄は減便して動いていますが、外出する人も少ないので、ふだんはラッシュの時間でもガラガラです。もう一つの“市民の足”であるタクシーは、まったく見かけません」

ニューヨークでも一部の“必要不可欠な業種”以外の社員や従業員は自宅勤務が義務付けられているが、“外出が許可されるケース”は、国の事情によって多少異なる。ちなみにフランスでは以下のようなケースだけ。

(1)テレワークができない職業のための自宅と職場間の移動、(2)生活必需品の買い出し、(3)通院、(4)高齢者や障害者の介助、(5)子供の保育のための移動、(6)個人での運動やペットの散歩、など。

日本でロックダウンが行われる可能性は、果たして――。

「女性自身」2020年4月14日号 掲載