受刑者に「広辞苑」自費購入させず 大分刑務所に県弁護士会が撤回勧告【大分県】

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大分刑務所への勧告を発表する県弁護士会の原口祥彦会長(右)と同会人権擁護委員会の松尾康利委員長=30日、大分市中島西の県弁護士会館

 大分刑務所(大分市)の男性受刑者が「広辞苑」最新版の第7版(9720円)を自費購入しようとしたところ、刑務所が許可しなかったのは人権侵害に当たるとして、県弁護士会は30日、購入を認めるよう勧告したと発表した。27日付。受刑者が所内の作業で得た「作業報奨金」を使うことを制限しており、「財産権を侵害している」と指摘した。

 同会の人権擁護委員会によると、刑務所は2018年1月、広辞苑の第6版を貸し出し用に備え付けてあることなどから男性の購入を認めなかった。男性が委員会に人権救済を申し立てた。

 受刑者が日用品や書籍を自費購入することは法令で認められている。辞書は手紙を書く際などに使うため自分で持っている人も多いという。

 委員会は刑務所が自費購入に関し、作業報奨金の使用を前月に得た額の半分までしか認めていないことを問題視。受刑者が元々所持していた現金と差し入れ金を合わせた「領置金」を優先的に使うよう定めた内規は財産権を制限しているとして、撤廃するよう併せて勧告した。

 大分刑務所は取材に「内容を精査中であり、現時点では回答を差し控えたい」とコメントした。