熊本市の温浴施設、従業員も苦悩 新型コロナ感染者利用で中傷相次ぐ

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新型コロナウイルス感染者が滞在していたピースフル優祐悠=熊本市東区

 新型コロナウイルスの感染者が利用していた熊本市東区の温浴施設「ピースフル優祐悠」に対する誹謗[ひぼう]中傷が相次ぎ、従業員にも影響が出る事態になっている。村上浩二支配人(60)は「施設だけでなく、従業員にまで被害が及ぶのは耐えられない」と訴える。

 温浴施設は熊本市保健所の立ち会いの下、27日に館内すべての消毒を済ませた。これまでにPCR検査を受けた従業員や利用客は全員が陰性だった。しかし、施設名を公表した26日以降、苦情などが殺到。従業員からは「家族が勤務先から出勤停止を求められた」「保育園から子どもの受け入れを拒否された」などの悩みが噴出しているという。

 「施設名を公表したのは、利用客の不安払拭[ふっしょく]や感染拡大防止のため」と強調する村上支配人。「施設の風評被害は覚悟していたが、従業員が生活に支障を来すことになるとは…」と困惑を隠せない。

 一方、「公表してくれてありがとう」「熊本地震後の入浴支援はありがたかった。今回も負けずに頑張って」など励ましのメールも多数寄せられている。当面、営業を停止するが、従業員は再開に向けて消毒や清掃作業に励んでいるという。

 村上支配人は「利用客の安全が第一。まだPCR検査を待つ利用客がいるので、再開時期は保健所と相談した上で慎重に検討したい」と話している。(渡具知萌絵)