コロナウイルスは70代で喫煙経験者の致死率が約20% 「孫を会わせたい」「実家に帰る」は最も避けなければいけない行為|医療関係者座談会

©TABLO

画像はイメージです

全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス。諸外国のように感染爆発期を迎える可能性が非常に高い日本は、いったいこれからどうなってしまうのか。医療関係者に集まっていただき、それぞれの見解を述べていただいた。

【座談会参加者】
A:麻酔科医(50代・男性)
B:内科医(40代・男性)
C:看護師(30代・女性)

A まさか志村けんさんが亡くなられるとは…。お茶の間の人気者が亡くなってコロナ騒動をリアルに感じた人も多いんじゃないかと思う。今回のことは本当に残念としか言いようが無い。現代の医療を駆使してでも助けることができなかったなんて、新型コロナウイルスは本気で怖いよね…。これから感染爆発期を迎えたら、いったいどうなるんだろうか。

B ECMO(エクモ…重症呼吸不全や重症心不全に対する体外式膜型人工肺)を使ってたという話ですもんね。ほんと、ECMOなんて名前しか知らない医師は多いのではないかと思います。自分は心臓外科の先生が使ってるのを見たことがあるぐらいですね。「すごいな〜」って感じで別世界の治療です。ECMOを使いこなせる医者とか、漫画『進撃の巨人』だとリヴァイ班位のスペックですよ。医師免許持ってても使えない医者のほうが大多数ですよね。

A ツールがあっても使える医師がさほどいないから、かりに人工肺を増産できても、律速段階は対応できる医師になるのでは…とは思うよね。

C そうなんですね…。先日テレビに出てた大学病院の感染症の教授は、抗体ができてもまた感染する可能性もあるって言ってたので、インフルエンザのように何度もかかるリスクも否定できないみたいです。

A そこに関しては新型コロナウイルスは、インフルエンザ抗原とはまた別という話もあるから現段階ではわからないけどね。ただ、今後また別のウイルスが猛威を振るうという可能性は十分にある。早速中国からハンタウイルスというウイルスが出てきたみたいだからね。

C また中国から……。

B 話かわって、アメリカに住む友人がコロナに羅患してしまいましたが、幸い軽症だったようです。アセトアミノフェン系の薬が買い占められて手に入らないと言ってましたね。彼女の場合は配偶者が苦労して友人ルートから手に入れたため、間に合ったそうなのですが、意識ももうろうとする高熱と咳で眠れなくて本当に辛いと嘆いていました。軽症者は診断のための検査も受けることができず、入院もできない今、常備しておくべき薬は解熱剤や咳止め薬、ですかね。

A さて、もう一度新型コロナウイルスをおさらいすると、コロナウイルスは風邪ウイルスの20%程度をしめるウイルスなんだけど、今回の新型は従来のものと遺伝子に違いがあり、容易に肺炎を起こす点が厄介なんだよね。人間にはたくさん大事な臓器があるけど、特に心臓と肺は必要な酸素を各臓器へ運搬するための“要(かなめ)”となる臓器。肺炎を起こすと酸素化効率が悪くなってしまって臓器、特に脳にダメージがいくのが死の原因となる。

B そうですね。もともと肺炎は日本での死因の4位で、コロナの前から十分死に直結する病気ですもんね。これもよく知られてると思いますが、このウイルスは特に若年者では命取りになりにくいことが知られていて、40歳以下で0.2%の死亡率、40代で0.4%。一方で60歳代で4%、70歳以上で8%、80歳以上で15%と高齢になるにつれ死亡率は上がっていきます。

C 今、アメリカやヨーロッパでは日々感染者が指数関数的に増加していますね。欧米の主要都市では、ほぼすべてのレストランや仕事の出勤も止めて、都市ロックダウンが起こっています。日本は早くから感染者が出現し、政府が対応した甲斐もあってか欧米のような爆発的な感染は防ぐことができています。ただ、仕事を止めたりせずにここまで感染が抑えられているのも不思議ではあるのですが。先日の三連休で人はみな解禁とばかりに街に繰り出していましたが、今後欧米のように爆発的に感染する可能性は非常に高いですよね。中国のような都市間の徹底的な封じ込めを行う段階にはないと言われていますね。現在は、集団免疫をつけることが収束の鍵と言われていますが、国民の6〜7割が新型コロナウイルスに感染しないと感染症は収束しないということですね。

A そうだね。日本人の行動様式がウイルス感染にいい形で働いたためか、これまでは一日に数十人ぐらいの感染規模で新規患者を抑えることができていたけど、現状新規感染者は増えつつあるよね。仮に学校が始まったりすると、たぶん一日1000人、5000人、10000人を超えるような爆発的感染が始まる可能性は高い。

B 若い人同士…たとえば30代夫婦に幼児が2人みたいな家族がいたとして、もし全員感染したら全員が生き残る確率は単純計算で99.2%以上。コロナは重症率が20%ぐらいだったと思うので、そのうち誰かは入院するかもしれませんが、人工呼吸器が余ってるうちは…、爆発的すぎる感染者で医療崩壊を起こしていなければ、入院して2〜3週間治療したら後遺症なく退院できると思います。

C そうですよね。どうしても子供を一番に守らなければというように思ってしまいますが、今回のケースで一番弱い存在は高齢者です。例えば70代は10%程度の死亡率ですが、特に合併症を持っている人や喫煙経験者はタバコによるベースの呼吸障害があるので、おそらくかかると20%以上の死亡率がある。家族にそのような方がいらしたら、社会の60〜70%が感染する中で、いかに感染から身を守るかが最重要。将来出てくるワクチンを打てるまでは、皆で感染を防いであげる努力をしなければいけません。

A そう。特に若年者はウイルスに感染してもほぼ無症状や軽度の風邪症状で経過することが多いことも知られていて「元気だからコロナじゃない」が通じないウイルス。なので、高齢者の命を守るためにも孫のお守りをしたり田舎に遊びに行ったりは、事態が収束するまでは控えたほうが良い。

C 本当に、ヘタすれば一生会えなくなってしまう可能性がありますからね。ここはぐっと我慢していただくしかありません。

A 現在、日本ではコロナウイルスは指定感染症に指定されていて、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ2類感染症と同等の措置が取られているよね。患者を診断した医師には報告義務があって、都道府県知事の勧告で全国約400の指定医療機関への強制的な入院措置が行われているが、感染者が増えるとこれらの病院が対応できなくなるのは必至。

となると『診断=隔離』の2類感染症対応では限界があるので、インフルエンザウイルスのように開業医が初診対応する流れにして重症例のみを大病院が入院管理するような形にしないとすぐに大病院がパンクする。現状、発熱患者レベルで最初から軽度の患者も含めて全て指定医療機関へ行かせているようでは、早々に大病院の医療者は疲弊するし病院も受け入れが困難になり、医療崩壊をきたす可能性は限りなく高い。

B そうですよね。新型コロナをありふれた病気としてインフルエンザや感染症胃腸炎などの5類感染症に置き換えて、軽症の患者は近くの開業医が診察するというのが今後のスタンダードになってくるし、しないといけないと思います。それにしてもこれからの診療、いったいどうなるのだろうか…。(構成◎編集部)