巨人ディプランではや8人目 異例のハイペースで増える支配下昇格の背景は?

巨人のナティーノ・ディプラン【写真:荒川祐史】

31日に巨人はディプラン、ロッテはフローレスの支配下登録を発表

 巨人は31日、育成選手だったドミニカ人右腕ナティーノ・ディプラン投手を支配下登録した。NPBが支配下への移行を公示した。26歳のディプラン。育成契約の規約で26歳以上の外国人選手の支配下登録期限は3月末と決められており、ディプランはこの日が登録期限だった。

 この日はロッテもホセ・フローレス投手の支配下選手登録しており、2人目の支配下登録に。巨人では2月28日に支配下登録されたイスラエル・モタ外野手に続き、今季2人目の支配下登録となった。巨人の支配下登録はこれで67人となり、残る登録枠は3人。

 今季は各球団で支配下登録に昇格する育成選手が例年以上に多く出ている。2月には、まず楽天が下妻貴寛捕手が支配下に復帰し、オリックスの漆原大晟投手、そしてモタが支配下契約を勝ち取った。

 オープン戦が終わり、3月16日にはソフトバンクの尾形崇斗投手、砂川リチャード内野手の2人が支配下登録選手となった。3月26日には中日のモイセ・シエラ外野手も支配下となっており、今季は早くも8人の育成選手が支配下への切符を掴んだことになる。

 例年であれば、開幕直後となる3月末。この段階で8人もの選手が支配下に昇格するのは、これまでに無かったことだ。育成選手制度がスタートしてから、昨季までの3月末までの支配下昇格選手数は以下の通り。()内は支配下登録期限となる7月末までの昇格者の合計。

各球団が育成システムに力を入れ出したことの成果か

2019年:4人(19人)
2018年:6人(20人)
2017年:1人(14人)
2016年:3人(18人)
2015年:4人(13人)
2014年:3人(11人)
2013年:1人(16人)
2012年:2人(19人)
2011年:2人(9人)
2010年:3人(10人)
2009年:4人(8人)
2008年:1人(7人)
2007年:2人(5人)
2006年:0人(2人)

 これまで3月末までの昇格は、最も多くても2018年の6人。1人から4人程度の年がほとんどで、今季の8人というのは明らかに多い。

 これは各球団が育成システムに力を入れてきていることも要因にあるだろう。巨人の山口鉄也投手やソフトバンクの千賀滉大投手や甲斐拓也捕手が台頭してきたことで育成選手の秘めるポテンシャルの高さを感じさせられることとなり、以前は育成選手の獲得に積極的ではなかったチームも育成ドラフトで選手を指名するようになってきた。

 各球団が育成に力を入れ出したことで、その力を花開かせるようになった選手が増えてきたと言えるだろう。また、近年はマイナーリーグや中南米のリーグでプレーしてるような外国人をまず育成選手で獲得してくるケースも目立つ。

 ソフトバンクのリバン・モイネロ投手や巨人のCC・メルセデス投手などはその例で、今年で言えば、フローレス、モタ、ディプランなどがこれに当たる。広島の場合はドミニカカープアカデミーから育成選手、そして支配下という流れもできている。“ジャパニーズ・ドリーム”を目指して来日した外国人が才能を開花させることも増えてきた。

 ここまで8人が支配下へと昇格した2020年の育成選手。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が遅れている難しい状況ではあるが、果たしてシーズンではどれだけの選手に朗報が届くだろうか。(Full-Count編集部)

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