一斉休校の賛否は?内閣支持率への影響は?2020年3月電話・ネットの意識調査 結果解説

選挙ドットコムでは、日本国内の18歳以上の方を対象としたハイブリッド方式(電話調査とインターネット調査を同じ設問を行う方式)による3月度全国意識調査結果を実施いたしました。電話調査(JX通信社と共同実施/2月29日・3月1日)では1,979件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用/3月14日・15日)では1,000件の有効回答を得ました。 今回は「政府の新型コロナウイルスの対応への評価」と「安倍総理と政府による一斉休校措置の要請への評価」を取り上げます。

「選挙ドットコムちゃんねる」でもゲストにJX通信社の米重克洋さんをお招きし、今回の調査について解説をしていただきました。
励みになりますので、ぜひチャンネル登録お願いします!

内閣支持率:「支持」も「不支持」も増加

内閣支持率は「不支持」が「支持」を17ポイント以上 上回りました。また先月と比較をすると、「支持」・「不支持」ともに増加していました。そして、不支持の中では「全く支持しない」が「どちらかと言えば支持しない」より多い状態に変化はありませんでした。

新型コロナウイルス感染症への政府の対応は「評価しない」が上回る

ネット調査と電話調査を掛け合わせたハイブリッド調査結果では、新型コロナウイルス感染症への政府の対応を「高く評価する」が8.7%、「どちらかと言えば評価する」が25.4%、「どちらとも言えない、分からない」が15.9%、「どちらかと言えば評価しない」が22.4%、「全く評価しない」が27.7%となりました。

「評価しない」が「評価する」を15ポイント以上 上回りました。また、「評価しない」が50.1%となり、半数の人が政府の対応を評価していないことが分かります。

ネット調査と電話調査の結果は上の図の通りです。

ネット調査では「高く評価する」が4.5%、「どちらかと言えば評価する」が18.7%、「どちらとも言えない、変わらない」が31.0%、「どちらかと言えば評価しない」が22.5%、「全く評価しない」が23.3%となりました。

電話調査では「高く評価する」が10.8%、「どちらかと言えば評価する」が28.8%、「どちらとも言えない、変わらない」が8.3%、「どちらかと言えば評価しない」が22.3%、「全く評価しない」が29.9%となりました。

どちらの調査でも「評価しない」が「評価する」を大きく上回りました。選挙ドットコムちゃんねるにゲスト出演したJX通信社の米重氏は

「ネット調査では『評価しない』が『評価する』を20ポイント以上も上回っている。ネット調査の回答者は約7割が40代以下で構成しており、比較的若い世代の意識を抽出している。その世代はネットで様々な情報に触れている世代でもあるので、回答者の年代が高い電話調査よりも明確に『評価しない』と言っている人が多い印象を受ける」としています。

支持政党と新型コロナウイルスへの政府の対応のクロス集計は上の図の通りです。

与党の自民党・公明党の支持者では、「評価する」が「評価しない」を大きく上回っています。しかし、いわゆる無党派層(支持する政党はない)と野党各党の支持者では「評価しない」が「評価する」を上回りました。

安倍総理と政府による一斉休校措置の要請は「評価する」が上回る

ハイブリッド調査結果では、安倍総理や政府による一斉休校措置の要求を「強く支持する」が16.3%%、「どちらかと言えば支持する」が31.5%、「どちらとも言えない、分からない」が17.6%、「どちらかと言えば支持しない」が17.6%、「全く支持しない」が17.1%となりました。

「支持」が「不支持」を13ポイント以上 上回りました。約半数の人が一斉休校措置の要請を支持していると捉えることができます。

ネット調査と電話調査の結果は上の図の通りです。

ネット調査では「強く支持する」が9.4%、「どちらかと言えば支持する」が29.7%、「どちらとも言えない、変わらない」が26.9%、「どちらかと言えば支持しない」が17.8%、「全く支持しない」が16.2%となりました。

電話調査では「強く支持する」が19.9%、「どちらかと言えば支持する」が32.3%、「どちらとも言えない、変わらない」が12.8%、「どちらかと言えば支持しない」が17.4%、「全く支持しない」が17.5%となりました。

どちらの調査でも「支持」が「不支持」を上回りました。電話調査では17ポイント以上も「支持」が「不支持」を上回っています。

支持政党と一斉休校措置の要請のクロス集計は上の図の通りです。

新型コロナウイルスへの政府の対応の調査結果と同様に、与党の自民党と公明党の支持者では「支持」が「不支持」を大きく上回っています。そして、一斉休校措置の要請については、日本維新の会の支持者でも「支持」が「不支持」を大きく上回っています。

また、いわゆる無党派層(支持する政党はない)とその他の野党各党では「不支持」が「支持」を上回りました。

今回の調査では「あなたは、現在、高校生以下の児童の子育てを行っていますか?」という子育ての有無を聞く質問も行いました。「答えたくない」とした方の回答は、全体の5%にも満たないため参考値となります。

その子育ての有無と一斉休校措置の要請のクロス集計は上の図の通りです。子育てしている人としていない人の両方で「支持」が「不支持」を大きく上回ていました。

今回の一斉休校措置の要請は、子育ての有無に関わらず一定の支持を得ていることが分かりました。

新型コロナウイルスにお気を付けください

先日、新型コロナウイルスの感染者数が世界で68万人を超し、欧米でも多くの方が亡くなっています。日本では感染者数が2000人に近づいており、東京や大阪などの大都市では、感染経路が分からない感染者も出てきています。

28日に安倍総理大臣は会見を行い、「まだギリギリ持ちこたえている。少しでも気を緩めれば、いつ急拡大してもおかしくない」と強調し、「この戦いは長期戦を覚悟していただく必要がある」と述べ、イベント自粛や不要不急な外出は控えることへの理解を求めました。

未知のウイルスとの戦いがまだまだ続きます。手洗いやうがい、マスクの着用、不要不急の外出自粛など、身近なところからできる感染対策に努めていきましょう。

調査概要:電話調査は令和2年2月29日(土)と3月1日(日)に、ネット調査は令和2年3月14日(土)と15日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で1,979件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1,000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査ではスマートフォンアプリのダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。調査データの数値は小数第2位以下を四捨五入。

© 選挙ドットコム株式会社