レジェンド・三宅義信から指導を受けるウエイトリフティングの新鋭・宮本昌典選手

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レジェンド・三宅義信から指導を受けるウエイトリフティングの新鋭・宮本昌典選手

レジェンドの教えを力に

肉体の力、精神の力を一瞬にかけ、自らの限界に挑むウエイトリフティングの新鋭・宮本昌典。ストイックに記録を追い求める中で、ウエイトだけでなく、競技への思いや地元の期待なども背負い、東京五輪を目指す宮本に迫る。

1896年の第1回五輪から行われている歴史ある競技、ウエイトリフティング。’60年代から’80年代には、2大会金メダルの三宅義信を筆頭に日本がメダルを量産していた。近年は三宅義信の姪・三宅宏実が2大会連続でメダリストになるなど、復活の兆し。東京五輪では複数のメダル獲得が期待され、その期待を背負う1人が、三宅義信から指導を受ける宮本昌典。五輪初出場でのメダル獲得を狙う。

「高校生の頃に五輪の開催地が東京に決まって、なんとなく出たいとは思っていたんですが、強く意識するようになったのは、大学に入ってからですね。大学2年生で出場した全日本選手権で優勝して、記録の上ではあと2、3kgでリオ五輪に出場できるものだったんです。自分が考えていた以上に五輪は近い距離にあると分かって、本気で狙うしかないと思いました!」

それから4年、今では男子73kg級でスナッチ151kg、クリーン&ジャーク190kg、トータルで341kgの日本記録を保持。五輪を見据えて、トータルで350kgを目指している。

「ウエイトリフティングは、スナッチ、クリーン&ジャークというバーベルの上げ方が違う2種目の合計で競います。上半身の力で持ち上げているように思われがちですが、大事なのは足腰の方ですね。自分は柔軟性を強みにしていて、パワーの中に柔軟性があることで滑らかなフォームで、比較的少ない力でバーベルを上げきれます。(’19年7月に日本記録を更新し)ここ1年ほど自己ベストを更新できていないので、東京五輪までに更新するか、その手応えを得た上で迎えたいです。東京五輪の会場は日本記録を出した場所で、いい感じでした。ただ、その際は(テスト大会のため)無観客だったので、満員だと違う感覚になりそうで心配ですけど(笑)」

五輪は、ウエイトリフティングを見たことがない人にも注目してもらえる機会。競技のためにも、活躍したい気持ちは強い。

「三宅監督から『五輪は別格だ』って常に言われています。三宅監督が、前回の東京五輪で金メダル第1号になった際は、小学生が木の棒を持ってウエイトリフティングのマネをするぐらい盛り上がったとも聞いています。今はそこまでは難しいと思いますけど、メダルを獲って競技を盛り上げたい気持ちはあります。ルールが分からない人は、まず独特の雰囲気を感じてほしいです。競技は一つのプラットホームで行われて、シーンとした中で選手1人に注目が集まる緊張感、ゾワゾワ感があります。成功すれば選手はうれしい気持ちになりますし、応援する側も同じように味わえると思います」

宮本の出身地・沖縄は、まだ五輪メダリストを輩出していない県の一つ。宮本が第1号となることも期待されるが…。

「東京五輪は(沖縄発祥の空手などで)メダル候補の選手がいて、沖縄がメダルラッシュすると思っています。第1号までは欲張らずとも、その1人になりたいですね。ウエイトリフティングは記録を争う競技なので、自分だけを見て頑張っていけば、メダル獲得も見えてくると思います。侮らず、焦らず、しっかりと準備していきたいです」

【TVガイドからQuestion】

Q 印象に残っているスポーツ名場面は?

リオ五輪のウエイトリフティングで、温暖化による海面上昇で数年後には水没してしまうと言われている島国、キリバスの選手が出場していました。試技は失敗してしまうんですが、ダンスのパフォーマンスでキリバスの現状をアピールしようとしていて。五輪では政治的なアピールは禁止されていますが、それでもする強い思いを感じました。

【プロフィール】


宮本昌典(みやもと まさのり)
1997年2月3日沖縄県生まれ。水瓶座。O型。

▶︎小学6年生の時、ウエイトリフティングのコーチに誘われたことをきっかけに競技を始める。「練習場が高校で、高校生に遊んでもらう感じ」と遊び感覚だったが、「中学1年の全国大会で入賞して、面白いなと思いました」と競技にのめり込む。
▶︎東京国際大学に進学後、三宅義信の指導を受けて才能が開花。2年生で全日本選手権優勝。リオ五輪に出場できる記録に迫り、「次は行ける」と東京五輪への手応えを得る。
▶︎現在は客員助教兼ウエイトリフティング部コーチとして、母校で練習を続け、スナッチ151kg、クリーン&ジャーク190kg、トータル341kg(男子73kg級)で日本記録保持者に。

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取材・文/山木敦 撮影/為広麻里