「加賀さの」バス停名で復活 旧北鉄能美線の駅名

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 旧北陸鉄道能美線の加賀佐野駅(能美市佐野町)の跡地近くで1日、市コミュニティーバス「のみバス」の停留所「加賀さの」が新設される。1980(昭和55)年に廃線となるまで、旧駅は近隣住民の通勤通学に加え、九谷焼を全国に発送する貨物も取り扱っていた。地域の要望を受け、40年の時を経て旧駅を継承した名称が使われることになり、住民は往時を懐かしんだ。

 バスの路線改編に伴い、旧駅周辺に停留所が設けられることになった。市は佐野町会に名称の取り扱いを相談し、提案のあった旧駅名にちなみ、平仮名を交えた「加賀さの」に決めた。

 バス停が設置されるのは旧駅から約100メートル東側の同市石子町の県道沿いで、JR能美根上駅—北陸先端科技大学院大間のバスが1日9往復止まる。

 佐野町の江川正一さん(76)は、廃線前は駅の南側に500メートルにわたって商店が軒を連ねていたとし、「人の往来が盛んで多くの九谷焼が貨車で出荷されていた」と振り返った。

 約50年前まで旧駅を通勤で利用したという前町会長の長田幸雄さん(76)は「午前7時ごろは2両編成の車両が常に超満員だった」と懐かしんだ。現町会長の辰巳平一さん(71)は「駅は九谷焼とともに佐野の歴史を語る上で欠かせない。今後は多くの人に停留所を利用してほしい」と話した。

 市は1日の路線改編を記念し、5月6日まで1回100円の運賃を無料とし、市民に利用を呼び掛ける。