春から社会人という方、おめでとうございます。これから働いて、大きなお金を手にして、やりくりするスタートですね。お金と上手にお付き合いできるようになるかは、実は最初が肝心。お金まわりをうまく整えて、日々を楽しみつつ、お金もしっかり貯められる人になりましょう。
1:「先に貯金」を徹底する
お金を貯めるのが苦手だという人の大多数が、「『残ったら貯めよう』と思っているけれど、なかなか残らない……」と話します。つまり、「あとで貯めよう」と思っていると、そう簡単にうまくはいかないのです。
そこで、初任給が入ったら、「まずは先に貯金」を徹底してみましょう。一人暮らしの方の目安は手取りの1割ほど。実家暮らしなら、いつか一人暮らしをすることを見すえて多めに、手取りの4割ほどがおすすめです。
勤務先に財形貯蓄や社内預金の制度があれば、確認して申し込みましょう。初任給のタイミングには間に合わないかもしれませんが、自動的に貯める仕組みができれば、もうこっちのもの。放っておいてもどんどん自動的に貯まっていきます。
勤務先に制度がなければ、給与振込口座で自動積立定期預金を申し込み、自動的に一部を定期預金に振り替えていきましょう。そうすれば、普通預金のお金を使いきったとしても、しっかり貯金は確保できます。
仕組みをつくるだけで、「貯金ができる自分」になれますよ。
2:「小さな家計サイズ」でまわしてみる
貯金の仕組みができたら、次は日々の生活費について。
初任給を手にすると、今まで手にしていたお金よりも大きい金額で「自由に使えるお金が増えた!」と少々舞い上がるかもしれません。
ところが、舞い上がるあまり、どんどん使う習慣がついてしまわないように注意しましょう。
特に社会人1年目は住民税の支払いが基本的になく(前年の収入に対してかかるので)、社会人2年目から住民税がかかるようになり、「2年目になったのに、手取りが減った」と感じる人もいるので、1年目のお金の使いかたは重要なのです。
まずは気を緩めすぎず、なるべく小さな家計サイズでどこまでできるか、試してみることをおすすめします。(といっても、せっかくのお誘いなどを、何も考えずに「節約中なので」といって断りましょうというわけではありません)。
ゆるゆるのボトムスをいつも履いていると、気が緩んでお腹まわりが大きくなってしまうことに似ていますが、まずはきゅっとしめた状態に慣れることが必要なのです。
生活費のサイズを大きくするのは、後からいくらでもできます。まずは、「自分は最低限必要なお金はどれくらいかな」と知るために、「お金を使いすぎない1ヵ月」を過ごしてみるといいでしょう。
初月は何かと出費が多いかと思いますので、6月あたりの落ち着いた時期に「小さな家計月間」として過ごしてみるのもおすすめです。
3:「自炊のワザ」を身につける
一人暮らしが初めての方は、自炊生活も、ほぼ初めてかもしれません。
一人でいると、さびしくて友達や同僚を誘ってご飯を食べに行ったり、一人分の料理をつくるのが面倒でスーパーなどで毎食買って帰ったりという場合もあるでしょう。
ところが、持ち帰りのお惣菜やお弁当、外食などは、積もり積もると大きな金額に。また「なんとなく外食」を続けていると、外食が当たり前になってしまって、外食のありがたさも薄れてしまいがち。
なるべく自炊をする習慣を身につければ、食費が安く上がることはもちろんのこと、塩分や脂分などを抑えることもできますし、野菜を多めにとることもでき、健康維持にも役立つでしょう。
自炊力は、今だけではなく、もし今後結婚したり、子どもが生まれたりしても大いに役立つ技術です。簡単につくれるレシピや、保存しておけるメニューをいくつか作れるようになっておくと、これからの長い人生であなたを助けてくれる場面がたくさんあると思います。
4:「貯蓄専用口座」をつくっておく
さらに、準備しておきたいのが「貯蓄専用口座」です。給与振込口座とは別に、貯蓄のためだけの口座を作っておくことをおすすめします。
ボーナスや臨時収入があった際、お金を給与振込口座に入れっぱなしにしていると、「残高がいつもより多いな」と感じて、気持ちが大きくなって散財につながってしまうからです。
振込口座はメガバンクや地方銀行にケースが多いと思いますので、貯蓄専用口座としてネット銀行の口座を一つ持っておくといいでしょう。
ネット銀行は、基本的に独自の店舗がなく、メガバンクやゆうちょ銀行、コンビニのATMなどを使って現金の入出金をします。自分の生活圏内で使えるATMで、入出金手数料がかからないネット銀行を選ぶと、余計な出費がかかりません。
ネット銀行では、ボーナスシーズンに定期預金の金利アップキャンペーンをよく行っているので、そのタイミングで1年定期(さらに元利継続タイプ)を選ぶと、少し有利にお金をふやすことができます。
5:「職場で頼れる先輩」を見つける
社会人になると、収入や暮らし方などが変わっていき、友達と気軽にお金の話をできなくなる、ということも多々あります。
ですが、同じ職場の人なら、収入も近い金額ですし、暮らし方も似ている人がいるはず。職場で、お金に関して相談できる(注:お金を気軽に借りられる、といった意味ではなく、制度などを教えてもらえる)ような先輩を見つけておくこともおすすめです。
「福利厚生」といって、社員に向けたサービスのようなものがあるのですが、その仕組みを知らなったり、よく理解していなかったりして、せっかくお得なサービスがあるのに利用できていないという方もよくいます。
「この時期に申し込むといいよ」「このサービスはお得だよ」といったことに詳しい先輩は必ずいるはずですので、そういう先輩に出会えるといいですね。
そして、仕事に一生懸命取り組み、力を伸ばして仕事を楽しんでいきたいもの。仕事が楽しくなれば、収入が上がることにつながっていくはずです。そして後輩ができたら、いろいろな情報を教えてあげられる先輩になりたいですね。
以上、新社会人の方に向けて、お金まわりでしておきたい5つのことについてお伝えしました。お金に関することは、最初が肝心ですのでぜひ一つでも多く試してみてください。