【異次元】108メガピクセルの威力を見よ、Galaxy S20 Ultra カメラ レビュー

Galaxy S20 Ultraは、競合他社とは明らかに異なる108メガピクセル(12000×9000)のセンサーを搭載、「オートモード」の解像度の1つとして加えています。ユーザーはこれを、デフォルトの最大解像度として設定することができます。このレベルのセンサーのフル解像度を使うのは私達としても初めてなので、本当に興味深いものです。

他の携帯電話では、最大解像度(40/48/64/108メガピクセル)をユーザーが切り替えなければならない特別な「モード」として扱い、解像度を最大限使用する人はかなり少ないはず。ちなみに、Galaxy S20 Ultraにおいても、デフォルトでは10メガピクセルから27メガピクセルまでの解像度が設定されています。

  • Good

最高のディティール
最高のズーム性能
最高の低照度性能

  • Bad

解像度のオプションが少ない
ダイナミックレンジは改善の余地あり

  • 評価

10/10

  • 主なカメラスペック・新機能

・メインカメラ構成(カメラ3個+ToFセンサー)

超広角:13mm 12メガピクセル f/2.2
メイン:25mm 108メガピクセル f/1.8
ズーム:103mm 48メガピクセル f/3.5

  • 着実に進化してきたGalaxyのカメラ性能

Galaxy S20 Ultraは、Galaxyシリーズの進化を加速させたモデルです。Galaxy S10とNote 10のメインカメラは、S8のカメラを派生させたようなモデルで、優れたレンズを搭載したS9を順当に進化させたものでした。

この端末のメインセンサーは、S10のものよりも3倍近く大きく、レンズは2倍を超える光を集めると推定されています。シャオミのMi Note 10のカメラと解像度が同じであるため、おそらくセンサーもほぼ同じでしょう。ちなみに、シャオミ端末のセンサーについても、サムスンが設計と製造を担当しています。(センサーはサムスン S5KHMXと見られますが、公式に認めていません)。

S20 Ultraには、35mm換算で焦点距離が91mmの新しいズームレンズ(80mm+)が搭載されています。それは私たちが見てきた中で最も素晴らしい望遠機能、例えばHuawei P30 Proが同135mmのズームを超えるものではありませんが、望遠機能好きの人にとって、91mmは昨年の52mmから大きな飛躍と言えます。

12メガピクセルの超ワイドカメラは13mmレンズのままで、解像度は16MPから12MPに下がりました。ただ、センサーサイズはGalaxy S10/Note 10から50%近く増えています。カメラの詳細なスペックや一般的な技術データはGalaxy S20 Ultraのスペックページに掲載されています。それでは早速、カメラ性能を分解していきましょう。

  • >画質のクオリティ「昼間」

昼間の写真は、108メガピクセルセンサーの威力を最も活かす分野の一つであり、特にGalaxy S20 Ultraにおいては、ほぼすべての人がすべての時間を使用しているモードである 「オートモード」の解像度の一つとして利用できるため、価値があると言えます。

ここでは、S20 Ultraが過去最高の評価を得たスマホカメラ「Mate 30 Pro」と比較しましょう。

両方の携帯電話を箱から取り出すだけで、非常に良いシーンを捉えてくれます。Huawei Mate 30 Proは、HDR撮影に一日の長があります。写真の左下が最も顕著で、S20 Ultraで暗すぎるポイントが、Mate 30 Proは明るく持ち上がっています。

ですが、細部をつぶさに見てみると、そもそものカメラの方向性が異なり、どちらのカメラが圧倒的な優位性を持っているのか認識を改めるかもしれません。Galaxy S20 Ultraには、108メガピクセルの驚くべきディテールがあるのです。それは単なるポーズではなく、ユーザーがこれまで以上に自由にクロップして普通に撮影した写真として使うことができます。

  • 画質のクオリティ「昼間」の結論

S20 UltraとMate 30 Proの目標は大きく異なるため、競争は高い次元のそのさらに上の差分で比較することになりました。あなたが高いHDR機能を必要としているのであれば、Mate 30 Proが適当かもしれません。

ですが、本当に細部の細部の細部まで風景を捉えることを好むのならば、S20 Ultraは選ぶべきスマートフォンです。HDR機能はそこまででもありませんが。残念ながら、最高のHDR機能と最高の解像度を両立できるカメラは存在しないのです。

  • 画質スコア
  • 画質のクオリティ評価「夜間」

このセクションでは、ルクスという用語について何度か触れます。これは基本的に明るさを測るために使用される単位で、例えば、満月の夜は0.3ルクス、トワイライト(日没時)は10ルクス、オフィスの照明は300ルクスです。

下のようなシーンは、同じ景色の中に色、ハイライト、コントラスト、よく照らされた部分と日陰の部分があるので、どのカメラにとってもチャレンジングなものになります。

比較用画像

上記の画像では、Huawei Mate 30 ProとMi Note 10の両方が、比較用画像と比べて明度/コントラストを大幅に変更していることがわかります。変更は、ほとんどのユーザーにとって色相を修正するのは面倒であり、画像フィルタリングによる影/コントラストを勝手になくしてしまうと、通常は元に戻せません。ナイトモードは明るければいい、というわけではないことを覚えておいてください。

一方で、Galaxy S20 UltraとiPhone 11 Proは、元のシーンに近い色相を捉えることに優れています。どちらの携帯電話も、元のシーンに限りなく近づけるためには、およそ15%程度、彩度を持ち上げることが必要になりますが、それでもスマホ上での編集は簡単です。

下の写真を見ると、それぞれの携帯電話がどれだけ色相や明るさ、コントラストをうまく捉えているかがわかります。しかし、iPhone 11 Proの写真はGalaxy S20 Ultraの写真よりもノイズが多く、多くの細部が失われています。例えばワイヤーの一部が消えており、「Street」という文字さえも読めなくなっています。

後ろの家の雨樋も部分的に消えていて、左の家の壁面についても細部が崩れています。Galaxy S20 Ultraのカメラは、iPhone 11 Proを完全に超えています。

Mate 30 Proとの比較では、黄色の家の表層が一部、ノイズキャンセリングが効きすぎていてGalaxy S20 Ultraに分がある側面も見えます。しかし、Mate 30 Proはすべてを明るくして高ISOで撮影できるため、ディティールとテクスチャは、その奥の茶色い家からわかるように大きなメリットがあります。一方でGalaxy S20 Ultraは、圧倒的な解像度にわずかな利点を持っているので、画像をトリミングしたい場合は、やはり顕著な違いを作るかもしれません。

また、Xiaomi Mi Note 10はMate 30 Proと同様の戦略を持っており、背景の明るさを持ち上げて、S20 Ultraより高いレベルのディティールを捉えることに成功しています。しかし、”白 “のストリートサインを見ると、色味の調整がかなり必要であることを思い知らせてくれます。

  • 通常撮影(0.5ルクル以下)

強いハイライトのない柔らかい照明では、Galaxy S20 Ultraのカメラは非常によく機能し、生き生きとした色と雰囲気をキャプチャします。

カラーボトルのシーンでは、これまでにテストしたAndroidカメラの中で最高の2機種であるHuawei Mate 30 ProとMi Note 10と比較して、Galaxy S20 Ultraがシーン本来の雰囲気や照明を最もよく捉えていることがわかりました。参考までにiPhone 11 Proも加えてみました。

以下のMate 30 Proは色が大きく変化しており、オレンジ色調にシフトしてコントラストも変化しています。背景には、ノイズのパターンが少しブロック状になっているのも確認できます。

また、Mi Note 10はGalaxy S20 Proよりもわずかに優れたディテールを捉えているものの、オリジナルのハイライトや色調を変更してより良い画像に見せています。ですが、撮影者の意図をまったく反映できていません。

一番苦労しているのは、iPhone 11 Proでしょう。私達は、超長時間露光モードなしでこの写真を撮影しており、もちろん比較したAndroidスマホもそのようなモードを持っていて撮影もしていません。

いずれにしてもiPhone Pro 11のノイズは非常に顕著であり、本来到達すべきレベルより、明らかに劣ります。カメラの観点で言えば、次のiPhoneが9月下旬に発売されるとするならば、数多くのiPhoneユーザーにとっては長い春・夏になることでしょう。

一方で、トリミングされた写真についても見ていきましょう。

Mate 30 ProとGalaxy S20 Ultraの2機種が素晴らしいディティールを捉えられるスマートフォンとして評価できます。しかし、漢字をいくつか見てみると、S20 Ultraの写真はより良好な細部を再現しています。Mate 30 Proのシャープネスのフィルターは、いくつか読み取りにくいレンダリングをしてしまっています。S20 Ultraについてはノイズのパターンも細かくなっており、緑のボトルの輪郭など、よりシャープで自然に見えます。

Mi Note 10 Ultraは、S20 Ultraと同じ108メガピクセル センサーを使用していますが、異なる画像処理とフィルタリング機能の開発が顕著に現れる比較対象として面白い存在です。ここでMi Note 10 は、おそらく2 つの理由で微細な詳細にメリットを保っています。

それはおそらくマルチフレームノイズリダクションを用いて、画像を統合しています。そのため、フレームを再配置する環境によっては、ディティールが少し曖昧になる可能性があります。画像のフィルタリングについては、S20 Ultraほど強力ではありません。赤いボトルの小さな文字を見てみると、サムスンのカメラのコントラストフィルターが、文字の周りに後光がかかって、文字を少し大きくしているのがわかります。しかし、この画素拡大とカラーフィルタリングは、非常に細かいディテールを損なう可能性があります。

Galaxy S20 Ultraは、全体的なシーン(色+ムード+ディテール)を捉える点でXiaomi Mi Note 10よりも優れています。間近で見ると、Mi Note 10の方が細部の描写において若干優れていると思えますが、これは被写体の質感によって違いが出てきます。トリミングやズームインの必要がない場合、Galaxy S20 Ultraは、写真があなたが見ているものに最も近いので、はるかに優れたコントロール性、と言えるでしょう。

  • 画質のクオリティ評価「夜間」結論

Galaxy S20 Ultraの夜の写真撮影のパフォーマンスは、高いレベルの質感と、ユーザーが創造的に写真をコントロールしやすいようにオプションを与えています。元の色と詳細、シーンの雰囲気をキャプチャすることができ、すべてを通して「最高」と言えるのではないでしょうか。Galaxy S20 Ultraは夜間撮影の王座を奪還しました。

ユーザーがHuaweiやXiaomiのゴリゴリにカラーフィルターをいじる”スタイル”を望むとしても、S20 Ultraの写真をベースに編集するのであれば同じものを作ることができます。逆はできないことも付け加えておきましょう。

カメラベンチマークの観点から言えば、サムスンはMi Note 10のようにナイトビジョンモードを搭載するべきでした。ハードウェアで実現できるため、最終的にはメーカーの選択になりますが、カメラスコアを伸ばすのに役立ったはずです。

  • 最終結論

Galaxy S20 Ultraは、前モデルから大規模なハードウェアのアップグレードを果たしており、より印象的なカメラへと進化しました。新しい108メガピクセルセンサーは、昼夜問わず写真を撮影する際に非常に有効な成果を見せています。

最も重要な側面の1つは、あなたが見ているものを最高レベルで捉え、素晴らしいデータを記録し、競合よりもかなり優れた”シーン”の雰囲気を残していることです。その素材があるからこそ、最高の写真データを起点に、自身のクリエイティブスキルを最大限生かせることが大切だったりします。

S20 Ultraは、Uber-GのカメラIQスコアによると、スマホにおける「究極のカメラ」となり、当然の勝利となりました。昼夜問わず最高のカメラです。

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