東京も他人事ではない!? 東京と似ている環境のNY
新型コロナウィルスの感染者数が世界最多となってしまったアメリカ。その中でも半数以上を占めているのがNYです。
3月20日に、必要不可欠な職種以外の労働者は全員自宅勤務を義務化するという、実質的な外出禁止令が出されてから2週間弱のニューヨーク(NY)。
いつもは賑わっているNYの街中ですが、今は街から人が消えてしまっています。
NYは東京のように、各地から人が集まってくる人口密度の高い都市です。満員電車で通勤通学は当たり前、何人かとシェアして乗るタクシーのウーバーなど、人と接しない環境がないくらいどこにいても常に人と隣り合わせで生活する環境です。
このようなNYの今のリアルな状況を、NY在住の現役CAの筆者がお伝えします。
いつもは活気のあるNYか急にゴーストタウンに
平日の夜でもレストランはいつもたくさんの人で賑わっているのに、急にゴーストタウン状態になったのは3月15日あたりからだったと記憶しています。
デパートや路面店が時間短縮営業から、一斉に一時休業に入ったのです。飲食店もごくわずかなお店がデリバリー、テイクアウトのみで営業していますが、ほとんどのお店が休業しています。
私はアメリカの航空会社で客室乗務員として働いているのですが、仕事もしばらくお休みになってしまいました。
social distancing(人との距離)の大切さ
外出禁止令が出された際、何度もsocial distancing(人との間に最低180cmほどスペースをおくこと)を守るようにと言われておりましたが、聞き馴染みのない言葉なので最初は守る人もあまりいませんでした。
そのため、外出禁止令によるパニック買いが始まった時も、人との距離よりも物資を調達するのが優先と考える人たちで、どこのスーパーもほとんど買い物客で缶詰め状態になっていました。
そして、先週から感染者が急増しました。様々な理由があると思いますが、私個人の意見としては、あのパニック買いの中で感染が広まってしまった部分も大きかったのではないかと思わずにはいられません。
その後、だいぶsocial distancingへの理解も深まってきたようで、今では大手スーパーチェーン、whole foodでは店内でsocial distancingを守って買い物できるように、入店するのは順番方式です。
そして、待っている間もしっかり180cm間隔を開けて並ぶように、店の外にはテープで並ぶ場所まで印が付けられています。
日本のように、一列にちゃんと並ぶ習慣があまりないアメリカ人でも、しっかりと守っています。
また、スーパーでも買い占めを防ぐため、肉類は一家族2パックまでなど制限されています。
友人でも感染者が......17人に1人が感染していると言われているNY
今では17人に1人が感染していると言われているNY。私も何人か感染してしまった友人がいます。
幸い重症化せず回復に向かっていますが、30代ですがとても辛かったようです。身近な友人の感染によって年齢関係なく感染してしまうこと、用心していても感染してしまうことを実感し、ますます危機感が高まりました。
今、NYではみんな「いつ自分が新型コロナウィルスに感染してもおかしくない」という危機感を持って行動しています。
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非常事態宣言後のNYで観光?アメリカ人が驚いた日本人の行動
そんな中、アメリカ人の友人から「Is this a joke?!(信じられない!)」というコメントと共に送られてきたのが、日本でグループでお花見を楽しむ光景を報じたニュースの動画でした。欧米やアメリカほどの感染者数ではないといえ、日本でも感染者は毎日増えています。そんな状況でもお花見を楽しんでいる様子に、私自身ただただ驚きました。
私が住んでいるブルックリンハイツという地区は、マンハッタンを一望できる公園も近いため観光客の方がとても多いのですが、2週間ほど前は若い日本人の旅行客がたくさんいて驚いたものです。
すでにNY州が非常事態宣言を出していた時期だったので、まさか観光目的で来る人はいないと思ったのですが、犬の散歩中に思わず聞いてみると「学校が休みになり、チケットも手頃な値段だったから旅行に来た」とのこと。
人の感覚はそれぞれですが、この騒ぎの中、ゆっくりと観光が出来たのか疑問に思いました。
日本も危険!? アメリカ在住日本人の帰国ラッシュ
そしてその翌週、日本政府が「米国から26日以降に入国する者は2週間の強制隔離を要請する」と発表してからの数日間は、その前に入国しようとアメリカ在住日本人の日本への帰国ラッシュが始まりました。
私の友人も日本への帰国準備を始めましたが、3人家族の彼女は「26日前はどこも満席でチケットが取れなかった」と話していました。それほど大勢の人がアメリカ全土から日本に入国されたのだと思います。そう考えると日本もNYのようになってしまわないか、心配でなりません。
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テロも経験しているニューヨーカーの強い団結力
NYでは、ベッド数、呼吸器、医者など医療に関するものが全て不足しています。日用品のトイレットペーパー、ハンドソープ、赤ちゃんのオムツまでもが手に入らないお店がほとんどです。
24時間何でも手に入ると言われてきたNYが、今は不足しているものばかりです。
そんな状況で際立っているのが、ニューヨーカー達の団結力。テロを経験していることもあり、ニューヨーカーの団結力は強いと感じます。
例えば、SNSなどで「みんなが家にいる事で何人の命を救えるか分からない」と、連日色々な人がメッセージを流しています。
また、外出禁止令が出された直後から「家にいる時間を有効に活用しよう」とみんなで協力し合い、SNSなどでは「stay home」とタグ付けし、料理のレシピをシェアしたり、動画を通して一緒にエクササイズするなどの活動が盛んになっています。
この状況を早く終息させるには、国による対策はもちろんのこと、私たちひとりひとりの意識と団結が必要不可欠だと強く感じています。
日本でアメリカのように感染拡大しないこと、そして新型コロナウィルスの一日も早い終息を祈っております。