新幹線長崎ルート 「整備 フル規格で」 佐賀議員有志 山口知事へ要望

 九州新幹線長崎ルート未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備問題で、佐賀県内8市町の議員有志ら約40人でつくる同県フル規格促進議員の会(会長・平原嘉徳佐賀市議)は31日、同県の山口祥義知事に対し、国との速やかな協議入りやフル規格での整備推進を求める要望書を提出した。
 同ルートは武雄温泉-長崎でフル規格での整備が進み、2022年度に武雄温泉で新幹線と特急を乗り換えるリレー方式で暫定開業する。新鳥栖-武雄温泉の整備については国が佐賀県に協議入りを求めているが、実現していない。要望書では、乗り換えについて「年間300万人に近い利用客に多大な負担を強いる」とし、リレー方式が長期化した場合、「利用者軽視として強い非難を受け、国との関係悪化も危惧される」と指摘。国に協力し、負担軽減策、在来線の充実などを要求するよう提言した。
 平原会長ら市議9人が県庁を訪ね、前田直紀交通政策課長に要望書を提出。平原会長は「フル規格が最善の案。一刻も早く国土交通省と向き合って協議を進めてほしい」と求めた。前田課長は「知事に報告したい」と述べた。
 国交省は同日、長崎ルートの20年度予算として武雄温泉-長崎に750億円を配分した。事業主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構によると、軌道の敷設や駅舎建築、土木工事などに充てる。 

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