新型コロナで苦境の花卉栽培、フラワーツリーでPR 平塚の農家が丹精

平塚産の花で彩られたフラワーツリー=平塚市役所

 神奈川県平塚市内の花卉(かき)農家が育てた生け花を飾り付けたフラワーツリーが31日、同市役所にお目見えした。新型コロナウイルス感染拡大の余波で苦境が続く農家を支えようと、市が企画。春を彩る673本の花々が1階ロビーで来庁者を出迎え、平塚産の花卉をアピールしている。4月3日まで。

 平塚はかつて国内有数のバラ産地だったが、近年はユリやガーベラなど他品種への移行が進んでいる。ツリーは高さ2.5メートルで、バラやガーベラ、コチョウランなど10種類の花をポット90個に挿して並べた。

 市内には約40軒の花卉農家があるが、新型ウイルスの感染拡大で卒業式などのイベント中止が相次ぎ売り上げが低迷。市園芸協会花き部会の松木寿永会長は「市場価格も下がり、3月は売り上げが25%も落ち込んだ」と打ち明ける。

 ツリーは農家救済策の意味も込めて市が発注し、同部会メンバーが制作。松木会長は「今は何とか持ちこたえている状況。一丸となって花の消費の宣伝をしないといけない。一人でも多くの人に見てほしい」と話した。

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